ニコンAi25-50mmF4のテスト 2010.8.1
1979年製造のマニュアルニッコールレンズ、Ai25-50mmF4の実写テストです。 前回同様テスト結果を揃えるため、僅かにレベル補正をしています。これにより大きく評価が変るものではありません。 テスト撮影枚数はおよそ100枚。ほとんどが補正不要なほど安定した写りを示しました。 カメラはD90、RAW現像は毎回同じです。 D90とのバランスは良くありません。レンズとカメラがほぼ同じ位なのですが、D90がややバランス的に小さいのです。 まず気が付くのはピントの合わせにくさ。経年劣化でピントのトルクも充分ではありません。 開放値が4.0と大変に暗いのです。これは昨今のレンズには見られない暗さです。それでD90のファインダーはピントが非常に合わせ辛いのです。だだ救いは、F値が変らないことですが最長でも50mmですから暗いことには変わりがありません。それで撮影はかなり難攻しました。 135mmや200mmも同様にF4ですが、被写体が拡大されますしボケますから比較的見やすいのです。25mmという広角でF4はかなりピンと合わせがシビアーです。まさにこのレンズはフイルムカメラ用、しかもマニュアルカメラ用のレンズです。
テスト中もずーっと気になってた感じがあり。AF28-70mmやら135mmやら200mmを改めてチェックして見ました。 どうも何かが違うのです。単焦点は違って当たり前だから良いとして、同じような焦点域のズームレンズとは明らかに 描写が違うのです。 DX18-70mm、AF28/75mm(タムロン)、AF35-80mm、AF28-80mm、Ai28mm3.5、これらのレンズとの違いは以下です。 まず順光にも拘わらず露出が暴れる。つまりオートではかなりオーバーになるのです。これはマニュアルの28mmでも同じです。 他の単焦点マニュアルレンズも同様。シリーズE75-150mmも同様です。つまりD90の自動露出は安定性に欠けると言っても良いでしょう。恐らく個体差のレベルではありません。それではマニュアルはどうかというと28mmでは押しなべてオーバーでありました。 ところが、25-50mmは100枚撮ってもほとんど暴れない。恐ろしく安定しているのです。 どうやら、レンズにも原因がありそうです。 シャープさで言えば135mmが一番シャープに感じ、200mmもかなりシャープ。 DX18-70mmはシャープなのだけれどものっぺりとして味も素っ気もない。よくよく考えるとコンデジの描写に近い。コントラストが高すぎるし平板につきる。タムロンは明るいので、ついつい絞りを明け気味になってしまうせいか解像感は低い。絞った画像もやはりとびきりシャープには見えない。ただ、DX18-70mmにはない柔らかさが素晴らしい。考えるに凡庸だが悪くはない。35-80mmは明らかにタムロンよりは切れる。しかし、25-50mmとはやはりまるで違う描写。硬さもある。AF28-70mmはざっと画像を見ただけで違いがわかるレンズ。非常に解像感が強い。ダントツの感があります。 やはり、25-50mmとは感じが異なる。明らかに25-50mmは、これらのレンズに解像感では及ばないように感じます。 しかして、この安定感は何でしょうか。 単焦点28mmF3.5よりは、明らかに描写が安定しているのです。この安定性はフイルムでも有り難いですね。 解像度を欲張らず、微妙な補正がなされているのではないでしょうか。結果、立体感のある描写を得ることができたと推測されます。 なかなかに味のあるレンズです。いま少し解像度のあるカメラで使ってみたいレンズですね。 まあD90はじゃじゃ馬的なカメラで、どうにもこうにもレンズを選びます。まあ願わくば、もう少しピントの合わせやすいファインダーが欲しいですね。解像度もいま少し欲しい。露出も暴れないようにして欲しい。D300などはかなり安定するのだけれど、何せやや大きい。D90はサブカメラとしてとても良いカメラなのでもっともっと頑張ってもらいたいものです。というか、この価格でフルサイズは出ないのかなあ。 つづく |