超中古レンズの使い方 その2 2010.3.6



次はふつーの中古レンズですね。
普通の中古レンズなら普通に写るんですね。

いやいや、そうはいかんのじゃ。十数年も前のレンズだと使い方がちと違うのじゃ。
使い方というと?
絞りじゃよ。昔のレンズは開放からきりっとはいかん。開放ではフレアーぽく、ある程度絞ると
キリリとシャープになるんじゃ。しってたか。
知ってますよそんなこと。常識でしょ。

あははははは。さすがだのう。
そればかりではないぞ、古いレンズには他の面もあるのじゃ。それを教えようぞ。
それでは、
1986年に発売されたニコンAF70-210mmF4-5.6を例に見てみようぞ。
この望遠レンズは、ニコン初の本格オートフォーカス一眼レフカメラの望遠レンズとして発売されたものじゃ。

まずはふつーの作例じゃ。



東京写真超古レンズの使い方 カラーですが
モノクロ化
しております。


ニッコール
AF70-210mmF4-5.6
ニコンD100


このレンズはいわゆる直進式ズームレンズですね。カメラを下に向けて歩けない・・・・・。
そうじゃのう確かにそうじゃった。まあ写真家はそんなことあまり気にせんのじゃがのう。

作例はあえてモノクロにしたがカラーもなかなか素晴らしいのじゃ。
絞りは開放に近いF4.8、135mm相当で撮っておる。この柔らかさは昨今のデジタルカメラとレンズでは
なかなか出んのだ。わかるかのう。残存収差が柔らかさを出すのじゃよ。
レンズの妙味なのじゃ。

東京写真超古レンズの使い方
ニッコール
AF70-210mmF4-5.6
ニコンD90


上が開放、下がF10まで絞っておる。絞りの差は被写界深度に現れるが開放ではパイプの部分に
強烈にパープルフリンジが出ておるのじゃ。F10まで絞った下では解消されておる。

デジタル専用のレンズにはない柔らかさがある。
ただ使い方は難しいのう。

東京写真超古レンズの使い方
ニッコール
AF70-210mmF4-5.6
ニコンD90


さてもう一枚じゃ。やや露出オーバーなのでやや露出は切り詰めた。
上が絞りF10で下がF5.6。いずれも望遠端の210mmでの撮影じゃ。
違いがわかるじゃろうか。

なんかぼーっとしてますね。じじいのように。なんですかこれは・・・。
いやいやなんとでも言え。これはのう擬態じゃよ植物の擬態じゃ。ぼけっ。
わからんじゃろうのう。

東京写真超古レンズの使い方
ニッコール
AF70-210mmF4-5.6
ニコンD90


このサイズでは違いは確かにわからんじゃろう。
やはり望遠端の開放F5.6ではフレアーや収差が出まくりなのじゃ。
それが輪郭に滲み出て小枝を柔らかく描写しておる。
まさにレンズの妙味なのじゃ。補正しすぎると味が抜けてしまうのじゃ。
わかるかのう。

東京写真超古レンズの使い方
ニッコール
AF70-210mmF4-5.6
ニコンD90



このように、レンズは使い方でどのようにもなるのじゃよ。
古いレンズでも恐るるに足らんのだよ。要は使い方なのじゃ。また使うのが写真家なのじゃ。(いいこというなあ)
絶対的な写りは300mmF2.8なぞには絶対に及ばん。それで良いのじゃ。
300mmF2.8ではこのようには写らん。逆も真なり、そういうものなのじゃ。(ああいいこというなあ)

それで、じゃわいぢいさん今日の収穫は?

あひゃひゃひゃひゃそうじゃったそうじゃった。それがのう空振りじゃったあはははは。
五千円で買えるものなぞなかったわい。
だもんで寝るぞ。


さらば、またじゃ。

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