CP+ 番外編 フォクトレンダー 2010.3.15


番外編。フォクトレンダーです。

写真はフォクトレンダー ベッサマチック。前面にセレン光電池の窓があるレンズシャッターカメラ。
紹介されている個体は1959年発売もの。
旧ローライとフォクトレンダーは現在は存在しない。ローライは再生したがフォクトレンダーは
商標のみが残ったのです。
フォクトレンダー

現在フォクトレンダー製品はレンジファインダーカメラ・ベッサシリーズとしてレンズと共に発売されています。
コシナが商標権の許諾を所持会社から受けて発売しているもので、西ドイツ製ではないし
フォクトレンダー社が蘇って発売しているものでもありません。全くの別物です。
しかし、会社が存在しない以上コシナ製のベッサやレンズを見当違いだということはできません。
むしろ、
往年のレンジファインダーの良さを後世に伝えるべく行動を起こしたコシナは賞賛されてしかるべきだと思っています。
最近コシナは、新設計のアポランターレンズをリファインし発売しました。
このような地道な努力は歓迎されるべきでしょう。

どのように技術が進展しデジタルカメラが主導になろうとも、レンズの姿は永遠に変ることはないでしょう。
そうあって欲しい。
何故ならば、どのような写真機でもレンズというものは受け入れる包容力を携えているのです。
クロームのボデイにクローム鍍金のレンズ。良いではないでしょうか。
機械なのに時を経て大切に扱われ、たいそうなガラスケースに鎮座する機械はカメラしか存在しないと言っても
過言ではありません。

時計のように輝くこともなく、宝石のように煌めくわけでもありません。
そこにあるのは、
人間と共に歩んできた確かな風格、その姿だけなのです。


若年層の方は大抵のカメラ名は知っているが、ほとんどのカメラメーカーはもともとレンズメーカーであったことを
知らないようです。フォクトレンダーもレンズメーカーですし、
日本のカメラメーカーはほとんどがレンズメーカーだったのです。もちろんソニーやパナソニックは違います。
シグマがカメラを造るのを不思議に思う人もいるようです。
違うのです。自社のレンズを拡販するにも生かすにも、カメラの開発は欠かせないのです。



おまけ

アポランターをアポランサーと誤記しているサイトを見かけた。
なるほど、Voigtlander Apo-Lantharだからランサーと読みたくなるが、違います。ランターです。
(違っても責任は負わないです)かのtokyoの説によれば、
LantharはLanthanumのもじりでランタンのことを言うのが正しいのだそうな。
ランタンは光学ガラスの材料となるガラス素性。そうきたか。
ランタン系とも呼ぶ。アポはアポクロマートの略で三枚色消しのガラスの組み合わせ。
2枚合わせはアクロマートという。つまりランタン系ガラス素性の色消しレンズと解釈する。
今回発売されたアポランターもコントラストが素晴らしい。この抜けの良さとシャープさが、アポランターの
所以である。
(違っても全く責任は負わない)

コシナはいいなコシナはいいな、こしいなもとい欲しいなほれほれ。





つづくのだ。

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