聴覚障がいは見えない障害。


皆さん周知の通り、聴覚障がいは目に見えません。他に問題がなければ、普通に歩けますし途中失聴者が補聴器をしていれば
普通に会話できますので一見障がい者には見えないのです。
補聴器をしていれば聴覚に障害があることは分かりますが、程度については伺い知ることは出来ないと言って良いでしょう。
つまり、聴覚障がいは見えない障害なのです。

私は時々考える事があります。目の不自由な人は大変だな・・・と。そして、こんなことも考えます。
いっそ目が見えなくても、耳さえ正常ならどんなに良いだろうかと・・・。耳が不自由なばかりに色々と苦労してきた訳ですから、そんな
不謹慎な事もふと浮かぶのです。しかし、目の不自由な人はもっともっと大変な筈、そう思います。
目や耳に限らず、障害があると言う事は等しく大変な事なのです。

ただ、見た目が健常者と変わらないが故に人知れずハンディキャップを感じる事は少なくありません。

私は、両耳を同時に手術することがあり、ほぼ一年近く補聴器もはめられず極度に不便な環境を体験することが出来ました。
筆談なしでは、全く意思の疎通が出来ない状態を味わいました。

外出は一人では出来ず、常に妻と一緒。受付で呼ばれても全く分かりません。コンビニで店員さんが何か話しかけてきても、全く聞こえません。
誰かに呼ばれても分からないのです。それで、病院から役所、銀行まで、全ての外出は妻が同行し私の代わりに話してくれました。

電話も鳴っているのが全く分かりません。こんな、情けない事はありません。全聾の人は大変だなと思います。


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