空前絶後のレコードブーム 2018.8.28
空前絶後というと、何を大げさなと思う事かも知れません。 レコードが売れているのです・・・世界的に。 ご存知の通りアナログレコードは衰退して、CDに駆逐されて久しいです。 でも、最近ゾンビのごとく復活したのです。 数十年ぶりに、オーディオメーカーからレコードプレーヤーが相次いで発売されています。 でも、レコードを作るカッティングマシンは、日本に1台しかありません(-_-;)。 しかも数十年物です。 もしこのままレコードの需要が安定したならば、新たにカッティングマシーンを製造するメーカーが出るかもしれませんね。 製造はダメだけど、レコード盤はまだまだ市場に残っていると思われます。 レコード盤の寿命はCDよりも格段に長いのです。 溝を彫ってあるので恒久的に持続します。 方やCDは、データが読めなくなったりします。 その期間は非常に短いです。 CDは20~20000Hzですが、レコードはそれ以上の情報を刻むことが可能です。 当時のアンプは当然アナログですから、 上限も下限もありません。 アンプ次第なのです。 現在流通している古い音源のデジタル復刻盤は、アナログソースをデジタルに変換してCDにしています。 この製造時点でアナログからは 大きくかけ離れてしまうのです。 レコードは録音機からの出力を増幅してカッティングしますから、ダイレクトカッティングされた元盤は ほぼオリジナルと同等になります。 逆に言えばこの恩恵は古いソースだけになります。 現在のデジタル録音、オリジナルCD録音とは次元の違う話です。 レコード盤を聴くのにはカートリッジが必要ですが、安価な物はCDの音質を超えることは不可能です(;´Д`)。 ですから、カートリッジやレコードプレーヤーはある程度の物を揃えることが必要になります。 カートリッジ交換による音質の変化は、アンプやCDプレーヤーの交換よりもはるかに変化が大きいですね。 ほぼス、ピーカー交換と同じくらいの変化があります。 ですから、CDで売ってないからレコードを買って聞くということでなければ、簡易なレコードプレーヤーの購入はあまり意味がありません。 [ダイレクトドライブかベルトドライブか] ダイレクトドライブに勝るのはほぼありません。 ベルトドライブで同等の性能を出そうとすると重量が非常に重くなり価格も桁違いになります。 軽くても性能が出るのはアンプやCDプレーヤーと変わりません。 安定した動作にはある程度の重量が必要です。 そういった面では、非常に面倒くさい物です。 基本レコードプレーヤーとアンプは、ノイズの影響があり離せません。 ダイレクトドライブは滑らかに回転することは非常に制御が難しいです。 ベルトドライブはモーターと近いほど モーターの回転の影響を受けやすいので、糸ドライブにして本体から離すという方法もあります。 現実的ではありません。 現実的ではありませんが、ベルトより細い糸が有利なのは変わりません。 クラシックやピアノを聴くのでなければ、そこまで気にすることは杞憂です。 収録する録音機(38センチ)の性能はそれほど良くはないのです。 [録音データの再現] デジタル録音の時代になり、信号はほぼオリジナルのままに再現されます(そのように加工と言っても良い)。 アナログ録音を再生の場合のプロセスは、間に多くの機材が介在します。 マイクロフォン→ミキシングコンソール→ミキシングアンプ→録音機(オリジナル)→トラックダウン録音→イコライザ補正→録音アンプ →カッティングマシーン→原版→原版複製→レコード→レコードプレーヤー・カートリッジ→フォノアンプ(イコライザー)→プリアンプ →メインアンプ→スピーカーコード→スピーカー→再生 PCM録音というのがありますが、録音機をアナログからデジタル録音機で録音した物になります。 ややこしいのは古いソースのデジタルマスタリング というものです。 これは当時はデジタル録音機がありませんから、新たにCDを作るにあたってオリジナルテープを再生し デジタルレコーダーでそれを録音して、それにノイズ除去など各種補正をかけてCDを再作した物です。 なお、アナログ時代1970年以降の録音はドルビーシステムが採用されておりテープのヒスノイズを大幅に減少されています。 この時代のドルビーシステムは現在と違いアナログの補正です。 良質のレコードは、針音がほとんどせず、録音機のテープノイズ(サー音)が聞こえるのが普通でした。 実際には針音とテープ音(ヒスノイズ)が両方入っています。 安価なカートリッジは針音が大きいです。 プチプチ音は消すことが可能ですが、針音やヒスノイズは元々あるものなのでほぼ不可能です。 CDはデジタルなので、簡単にノイズを除去できます。 消えるのはノイズだけではありません。 CDの場合はデジタルノイズが必ず付加され、それを消すためさらにデジタルで消去します。 失われた信号は(みなし再現)されます。 全くあらたに作られた偽信号(音源)を付加しないと 元のような音にはなりません。 [オーディオ全盛の当時の間違い] 今から数十年前、オーディオ全盛の当時性能を我先にと追うために、測定値偏旁の機材開発が行われました。 いわゆるカタログスペックです。 数値は比較に非常に分かりやすいので、全ての機器が数値依存に陥りました。 1万円刻みで機材が発表されましたが、当然上位の機器はスペックも上がっていました。 それが生き残るための必須事項だったと思います。 その数値偏重に疑問を投げかけたのは、雨後の筍のように出現したオーディオ評論家でした。 彼らによる多くの機器の試聴、スクランブルテスト及び実際の導入による結果は、あることを投げかけました。 「数値と出る音が一致しない・・・。」 多分そんなことじゃなかったかと思っています。 たとえば真空管。 真空管アンプの性能は トランジスタアンプのように真っすぐではありません。 真っすぐなトランジスタアンプが優れている(良い音がする)はずでした。 また、同じトランジスタアンプでも3万円のアンプと10万円のアンプ、可聴域の特性は全く同じ・・・。 でも音が・・・。 同じ10万円のアンプで1台は4キロ、もう一台は15キロ。特性は同じなのに、音が違って聞こえる・・・。 このような違いに、気付いたのです。 理論的には同等でも、音はあらゆる面でデータ通りではなかったのです。 そこで、失敗したのはソニーだったと思います。 トランスを別次元のものにしたりして軽量化に挑戦しました。 スペックは他のどのメーカーにも劣らない優秀な物でしたが、販売には結び付きませんでした。 オーディオはシャーシー、トランス重量 コンデンサなど全てが不動でなければ聴感上の良い音にはならない・・・、そういうことでした。 ソニーが本当にソニーらしく偉いのはその後でした、重量級に打って変わったのです。 現在も昔も純粋なオーディオ機器は、特にアンプやCDプレーヤーは重量物が多いです。 無駄な重さと思えますが、実はそうではないのです。 オーディオは重量が命と心得ましょう(^^♪。 |