古き良き旅館とは

 
古き良き旅館(ホテルも)とは何でしょうか。

私は素人写真家なので、写真撮影が専門ですが、古い物を良く撮ります。
良く誤解されますが、古いと汚いは全く違います。古い=キタナイではありません。

自然に新しい物は存在しません。年月を経たものを自然と呼びます。ありのままを自然と誤解している人は非常に多いです。

新たにビルを建てたとしましょう。一年、一年と経つうちに不備が目立ってきます。そんな新しい物は使いにくくて、
年を経て少しずつ改良された物は、とても使いやすくなりますね。馴染むのです。
新しい包丁は怖いと言います。切れるのは必ずしも使いやすくはないのです。
そんなことは、周りにいくらでもあるのではありませんか。新しい椅子より、少し使い込まれた物が負担が少なく楽って感じませんか。

時代の流れは、宿の概念を変えていきます。和室が和洋室になったり、洋室になったりします。
客室であるにもかかわらず、床の間がない部屋も増えています。和室=畳の部屋が変わってきているのです。

旅館は、畳から板敷の廊下に変わってきています。絨毯の所も多いのではないでしょうか。
ホテル(観光地の)はもう、土足オーケーの絨毯です。部屋はそのままに絨毯で、ベッドと言うのが主流です。
昔ながらのホテルは、基本が旅館。ですから、ホテルと言っても和室だけと言うホテルも多いです。
昨今は改装時に作り替え、和洋室もベッドもあるのが普通です。

熱海で数十年にわたり営業をしている大型ホテルは、基本大型旅館ですので、和室が主です。
しかし、実際の部屋の構成を見ると、洋室が多いのに驚きます。泊まってみると納得します。元々は和室であった名残が随所にあります。
確かに昭和の良き時代、泊まるのは和室が当たり前だったのです。
食事は、基本部屋食はないと考えて良いです。人件費的に無理なのです。

部屋にユニットバスが入っていて、落胆する人がいますが、その前は多分に和式トイレに木やタイルの風呂だった可能性があります。
そんな場合は換気扇があまり聞きません、昔は換気扇も大したものではなかったからです。そういう配管なのです。
団地同様、設備は替えられても配管はダメのようです。
そんな昭和のホテルでも、壁紙の張り替えや、畳替えなどはしていますから、古いホテルでも問題はありません。キタナクは無い筈です。
宿泊料金が高くなければ、修繕もそう簡単には出来ないと思います。利益あっての事ですからね。
ホテルの部屋の清掃は、概ね外注と思います。恐らくは部屋掃除専門のパートさんです。ホテルの従業員は少ないですから、
直接することはまずないでしょう。その他に、少数トイレや廊下の掃除専門のパートさんがいるのが普通です。
掃除をする人は沢山いますので、掃除の内容は人により多少差が出るのかも知れませんね。

旅館は、規模によります。40室規模の大きい旅館と、20室程度、10室程度ではかなり違って来ると思います。

仲居さんがいるのが、旅館です。部屋食の場合、料理を運んできます。一切の事をします。
旅館によっては、布団の上げ下ろしだけ男性、と言う場合も多いですね。

旅館が押しなべて清潔に保たれているのは、仲居さんがいると言う基本があるからではないでしょうか。
仲居さんから色々な話を聞いたりするのも、旅館ならではの事です。

古き良き旅館には、庭があるのが普通です。庭園と呼ぶ程のものもあります。普通に池があり、鯉がいたりします。
露天風呂が、かなり遠い所にあったりするのも旅館では多いですね。
二階建ての旅館が普通です。エレベーターは無くて、階段で移動が当たり前です。
ちょっと大きな旅館はエレベーターがあります。市街地から外れるほど、部屋にゆとりが出てきます。

食事は部屋食が基本です。旅館であればその方が、無駄を省けるのです。

都心の出来立てのホテルには無いものを、きっと味わえると思います。




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