東京写真PLUS ピアノ編
三大アベマリアの一つ、カッチーニのアベマリア。 しかし、実際の作曲者は1600年代の彼ではなく、近世のロシアの作曲家ウラディーミルバビロフ ということが分かっています。 ウラディーミルバビロフは1973年47歳で死去したとされます。 短命ですね・・・。 カッチーニのアベマリアとして1970年頃に作曲して、作者不詳の曲として発表したものの、彼の死後1990年代以降になって 演奏家がカッチーニのアベマリアとして演奏したのが始まりと言われています。ウラディーミルバビロフが生前にカッチーニのアベマリアと称して 広めようとしたのかは定かではありません。 とにかく、死後しばらくはお蔵入りの曲であったことは間違いなさそうです。 作者不詳としたのかカッチーニのアベマリアとしたのか、ゴーストライターのようで問題にする人もいるようですが ウラディーミルバビロフが作曲したのは間違いがないのですね。 残念ながら、彼が今世において三大アベマリアとして称されるなどは 知る由もなかったのです。 こんなたとえ話があります。 青は藍より出でて藍より青し。 彼の生きた時代は第二次世界大戦の時代です。 1945年第二次世界大戦が終わりを告げた時、彼は19歳だったと思われます。 青春時激動の時代を過ごし、その24年後に作曲をしたという事になりますね。 自作の曲は全て古典の作曲家の名を借りて発表したとされます。 偽作と言う人もいますが、そうではないのでしょう・・・、人真似ではありませんから。 カッチーニのアベマリア(ウラディーミルバビロフのアベマリア)は、ただひたすらに「アベマリア」を繰り返します。 ちょっと聞くと、アベマリアの繰り返しとなだらかな抑揚だけの曲に思えます。 オルガン向きでしょうか、それともバイオリン・・・、 この間合いを見て感じて、演奏者ははっと感づいたのかも知れません。 これは沈黙のメッセージなのだと。 見えるのは大きな骨組みだけ。 そう、この曲を弾くのにも聴くのにも無限の方法があるのです、演奏者はそれに気が付いたのです。 そこに至るまでの時間は長かったと思います。 楽譜だけではくみ取れない音楽の深さを感じることが出来た瞬間が訪れたのです。 そしてカッチーニのアベマリアは伝説になりました。 その旋律の美しさは三大アベマリアと称されてしかるものと思います。 ウラディーミルバビロフのアベマリアと言わず、カッチーニのアベマリアで良いと思います。 大御所例えは本人希望ですから(^^♪。 讃美歌や教会音楽のような旋律は、基本打楽器であるピアノには不向きのようにも思えます。 しかしながら優れた編曲者により、ピアノ曲は素晴らしい仕上がりになっています。 ウラディーミルバビロフはどう思うのでしょう・・・。 カッチーニのアベマリア、是非弾いてください。 |
出典:インターネット