東京写真PLUS ピアノ編
川の流れのように 2019717
川の流れのようには美空ひばり最大のヒット曲であり、最後のリリース曲です。 美空ひばりは、この曲が発売された半年後にこの世を去りました。 この曲は美空ひばりにとって、とても大事な出会いだったと思います。 この曲の歌詞を作詞したのは、秋元 康さん・・・。 小さな川がやがて大海へと注ぐ・・・、そのことは歌詞には書いてありません。 作詞家の見た川だったのですが、美空ひばりもその話を当然 聞いていたのでしょう。 美空ひばりは、その川の流れを自身の人生と重ねました。 いや、重なったのでしょう。 美空ひばりの人生を見届けた人々は、その人生に共感し涙しました。 そして一つの曲が命を得て、大きく羽ばたいたのです。 噛みしめるように歌う美空ひばりは、歌いながら人生を噛みしめていたのかも知れません。 でこぼこ道や 曲がりくねった道 それもまた人生 地図さえない それもまた人生 誰もがそう思うかもしれません。 雨に降られて ぬかるんだ道でも いつかはまた晴れる日が来るから 美空ひばり自身の人生のみならず、自身の人生を重ねた人も多いと思います。 おだやかに この身をまかせていたい ああ 川の流れのように いつまでも 青いせせらぎを聞きながら はるか遠い山深い小川、そのせせらぎの音を忘れることはありません。 今流れて大海へと注ぐこの川の行く末は、ただ流れに任せるだけ・・・。 振り返れば 遥か遠く 故郷が見える 振り返るのは、たどり着いたから・・・。 そうなのでしょう。 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しく歌ふもの 室生犀星の詩です・・・。 いつの世も人生は非常であり、そして悲しい・・・。 こんな心に染み入る「川の流れのように」ですが、ピアノで弾くのはとてもとても難しい曲です。 全音の楽譜が、難しいけれどもとても良い響きを奏でます。 YouTube模範演奏は、土橋礼佳さん。
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