ピアノ東京写真PLUS ピアノ編

気持ち悪い音とは・・・?    2019.11.17

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ピアノを弾くにあたって、極まれであるが「気持ち悪い音」と言う表現が出てきます。 何でしょうか・・・、良く分かりません。


例えば、右と左が合わない場合。 音が交差します、これは交差するのであって楽譜的には遅延なのですけど、本当は同時に鳴ります。

テンポが指定通りでない場合。 小節ごとに早くなったり遅くくなったり・・・。 もしくは小節内でも、音符の長さ通りでなかったりします。

リズムがバラバラの場合。 これは難しくて、ピアノをやる位の人は分かっているし身についている。 これがないとカラオケで歌えない・・・。


これらが、微妙にずれていたり揃っていないと「気持ち悪い音」に聞こえるのだそう・・。

しかしこれは本当は間違った解釈で、そういうことを「気持ち悪い音」とか「気持ち悪い演奏」と言ってはいけないのです。

気持ち悪いという表現は巷の女子が言う事の「生理的にダメ」と言う事と同意義になります。 大変に失礼な表現なのです。

しかしてピアノは、下手糞な演奏とかダメな演奏、聞くに堪えない演奏と言うのが正しい表現です。   

「気持ち悪い音」に聞こえるのは、聞く人の感性以外何物でもありません。 演奏者は気持ち悪いと評する人の為に演奏するのでもなく練習するのでも

ありません。 子供がピアノを練習していて出る音は騒音ではありますが、音楽を望むのがそもそも間違いなのです。


実は、どんなに合わせても(調律しても)ピアノは正確な音で鳴ることはありません。 えーっ嘘と言うなら、ピアノの構造を調べれば分かります。

極端に言うと、世の中のすべての音は微妙にずれて鳴っています。 絶対音感と称する人は、それで悩むらしいです。

700ヘルツの音があったとして、再生すればその瞬間から音は変動してしまうのです。 空気を振動する全ての楽器は、それを防ぐことは出来ません。

もう少し言うならば、楽譜の一ページは基より、一小節進むごとに音は狂っていきます。 でも、それが普通で自然な事なのです。

ピアノの弦にはおよそ20トンもの張力が掛かっています。 一本当たりにしても相当な力が掛かっているのです。

またピアノは音的に言えば、大変な雑音発生器なのです。 純音で鳴ることは無く、無数の倍音が鳴り、しかも他の弦まで振動させます。

実は複雑怪奇な、冒頭の表現で曰く大変に気持ち悪い音を発生させているのです。


そう言うメカニカルな事は別にして、楽器は音楽的騒音発生器だと認識しましょう。 その騒音に感動し酔うのです。

ですから、どんなにハチャメチャな演奏でも「気持ち悪い」などとは言わないようにしましょう。


えつ? 私ですか・・・(>_<)。

莫大な騒音発生器ですよ、船酔いしますよ・・・( ̄▽ ̄)。


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