ピアノ東京写真PLUS ピアノ編

大人がはじめてピアノをやるために その4     2020.3.3


№490


大人がはじめてピアノをやるために必要なこと。 


④一曲通して弾こうとしない


良く、弾いてる時は間違っても弾きなおさない、止まらないようにと言われると思います。 それは違います

何度止まっても、何度弾き直しても全く問題ありません。 むしろ、弾き直してください。 何度やっても間違うならば、飛ばしちゃって構いません。

間違うのは間違う理由があるからで、それを解決することが何よりも大事なのです。 走る癖を付けると、後々大変な苦労をします。


間違って止まるのは、脳が正しく認識しているからです。 そこ違うよと言っているのです。

これは、自身の中から出てる警告なのです。ですから、脳はハッキリと正しい音符を認識しています。 動作が追い付かないだけなのです。 

動作と記憶の脳は、系統が違います。脳の中では、しっかりと学習できているのです。 間違うのは、運動系統です。 

ですから、繰り返すのは、運動系統に覚えさせる所作なのです。  だから、突っ走ってはダメなのです。 流れもひったくれもありません、必ず止まって、

繰り返すことが何よりも大事なのです。 あの時出来なかったのに・・・出来るようになった事ってありませんか? それなんです。


けん玉が1000回やると自由になる、と言うのはそれです。 先ず脳は目からの信号を解析します、間違えただけ解析します、そこに正解は既にあります。

後は体の運動系統が、最も良い状態を覚えるということなのです。 これは、ほとんどのスポーツがそうなのです。 ピアノも何ら変わりません。


はじめて楽譜を手にしてスラスラと弾く、初見演奏は趣味のピアノには全く必要がありません。 むしろ、弊害があります。

初見が普通になると、記憶する能力が落ちます。 努力する力も落ちます。 良いことは、趣味のピアノには全くありません。 それこそ、サラサラと

軽くなってしまいます。 初見で理解できるのは、楽譜の記号や音符だけです。 楽曲は、音楽性と言うものはそれほどに軽い物ではありません。

作曲家が推敲に推敲を重ねて作った作品は、軽く流してはいけません。


ピアノを練習すると、ピアノ教室などでは発表会がありますね。 他人のピアノを直に聞く良い機会ですから、積極的に参加しましょう。

もし、ご自身が発表に自信がないのなら、お披露目は無用です。 聞くだけにしましょう。 果し合いでは決してありません。 弾かないのも手なのです。

多くの先生諸氏が、止まらないように言われるのには理由があります。 止まると困るからです。 基本、それしかありません。

合唱の伴奏、オーケストラなどとの共演。 どれもこれも、多数でやる場合には、止まってしまうと演奏自体に問題が生じてしまいます。

多少のエラーは、流れていると隠れてしまうのです。 止まってしまうと、個人で練習している時と違ってパニックに陥ってしまいます。

空間識失調に陥ってしまう危険があります。 パイロットが方向感覚を失い墜落に至るあれです。 

特に、暗譜で弾いている場合は、その危険があります。 ですから、自信がない場合は、暗譜をしてはいけません。 楽譜を並べましょう。


一曲通して弾こうとするのは、無駄なノルマです。 そうしなくとも、いずれは通して弾けるようになります。  

高齢者のブレーキの踏み間違えと、ピアノの弾き間違えは何ら違いがありません。 

頭と体は別だということを、くれぐれも承知おき下さい。

ブレーキの踏み間違えは取り返しがつきませんが、ピアノの間違えはなんぼでも構いません。むしろ、どんどんやって覚えるのが正解です。

大人のピアノは、一曲通して弾こうとしても、先ず記憶が構築されません。 積み上げたブロックが崩れるがごとく、記憶は構築されません。

だから、一曲通して弾こうとしてはダメなのです。むだな労力です。

少しやっても、明日まで覚えているか保証はありません。 無保証の世界なのです。



ぽちぽちと、やりましょう。




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