ピアノ東京写真PLUS ピアノ編

  ストリーミング再生回数は意味がない  2024.7.27
     

 №731

先日テレビを見ていたら、知らないグループのストリーミング再生回数が2億回突破

 

とか言ってました。 へ~っ、そうなんだって思いましたね。

 

ストリーミング再生って、ハードル凄く低いですよね。

 

スマホでどこでも聞けてしまいます。

 

巷では、このストリーミング再生とダウントード視聴といっしょくたに

 

混同している向きがあるようです。

 

 

ダウンロードはCDと何ら変わりません。 CDは買いに行かないともしくは注文しないと

 

手に入りません。 しかし、何度でも壊れるまで聞くことは可能です。

 

ダウンロードは「モノ」ではありませんが、ファイルとして保存ができ

 

これもまた何時でも何度でも聞くことができます。

 

ここで問題が。

 

CDの1枚やダウンロードの1回は、カウントで1つになりますね。

 

つまり同じものを買わない限り、販売枚数というのは増えません。

 

ストリーミング再生の場合は「都度」ですから、同じ曲を聴こうとすると

 

またストリーミング再生しなければいけません。 サブスクリプションなどで、

 

何度でも聞けると言う事と販売枚数は全く関係しません。 

 

 

端折って言うと1万枚CDを売るには、まあそれぐらいの人が買わなければいけません。

 

ストリーミング再生は1人でも数百や数千回は可能になりますね。

 

ストリーミング再生1万回が、CD購入者1万人とはならない所以です。

 

ですから、2億回再生は事実でしょうが2億人が見たり聞いたりはしていません。

 

ずっとずっと低い人数じゃなかろうかと。

 

 

えーと、国内のスマホの保有台数は3000万台弱。音楽配信利用者はおよそ

 

2600万人弱。 定額配信は1500万人程度とされます。

 

CDの場合、対象の全ての人が購入しても1500万枚ですよ。ダウンロード入れても

 

大して増えません。 ストリーミング配信ならば、10回全ての人が聞けば

 

1億5千回になります。 数字のマジック、見かけだおしの所以です。

 

 

現在CDは苦境にあります。 CD1枚は1000円から2000円はするでしょう。

 

CD1枚は意を決して買わねばならないけど、配信は実に気軽。

 

サブスクリプションならば、費用は何倍も何十倍も抑えられるのですね。

 

10代20代は利用率が5割に迫るそうです。

 

これじゃ、本当の販売枚数やら売り上げは知ることが出来ません。

 

このストリーミングとサブスクリプションは、世界中で数億人が利用しています。

 

CD等を買わなくて良いのです。聞き放題なら費用もグンと抑えられます。

 

 

しかしながら実体のない配信は、

 

連綿と人類が作り上げてきたものを、着々と壊し始めているのかも知れません。

 

きっといつの日か、あっ手元にないと気が付いてCDなんかを探すのかも知れません。

 

その時はすでに遅し。

 

 

便利に勝るものない、と思われて文明も文化も発展し続けています。

 

平和ならいいですよ。 この世の終わりが来た時には、1から構築なんて不可能です。

 

IC化やAI化が進めば進むほど、モノは作れなくなってしまいます。

 

 

今のような文明を取り戻すには、数千年数万年かかるやも知れません。

 

正しく、猿の世界がやって来るのです。

 

そういう意味でも「モノ」は形で残さなければいけません。

 

 

レガシーこそが重要なのです。



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