ニコンF3 (1980年3月発売)
ニコンF3です。 ニコン一桁シリーズ最後のマニュアル機。 電子制御式シャッター採用。 視野率100%。倍率0.8倍。 ファインダー交換可能。 重量:715g。 発売時価格:\139,000。 (1998年時価格:\183,000) 1988年F4が発売されるが、13年後の 2001年まで20年に渡り製造された。 よって、最終シリアル番号は200万番台前半である。 本来の修理終了は10年後の2011年であるが、 異例に2016年まで延長された。 |
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ニコマートFT2と比べてもややコンパクトで、 比較的軽量。 通常はモータードライブを装備するのが定番。 これはアイレベルファインダーですが、後発のハイアイポイント(HP)が市場に多く出回っています。HPの方が見やすいが、もったいないような感じもします。HPはやはり報道向けでしょう。 モータードライブを装着すると、コンパクトなカメラから大仰なカメラに豹変します。 |
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ペンタ部分が大きいためか若干窮屈な軍艦部。 巻き上げは非常に滑らかで使いやすい。 |
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データバック(MF-14)を装備した裏蓋。 通常はメモホルダーのみのシンプルなものです。 (シリアルは消しています) この個体はシリアルナンバーは後期の物ですが、塗装が剥げていて相当使い込まれています。しかしアタリなどはありません。 ボデイのロゴなどの墨入れとファインダーの焼けが若干違います。 酷使されたとは云え、どうやらボデイの方が新しいと思います。 データバックMF-14。 重量:85g。 価格:19,500円(税別)。 |
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モータードライブ(MD-4)前面。 F3の接点保護カバーを外して接続します。 この保護カバーは紛失しやすい。 最高6コマ撮影可。 カウンター装備。 -20度での動作可能。 重量:480g。 価格:61,000円(税別)。 |
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モータードライブ背面。 ドライブを装備すると重量はF5とほぼ同じになります。 全高はF5より高くなります。 大きく威圧感の高いカメラになるのです。 ニコンF3+MF14+MD-4=263,500円(税別)。 重量:1,280g。(F4Sと同じ重量) ニコンF4S=239,000円。 |
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「考察」 当個体はシリアルナンバーから推測するに200万台に近く、1998年後期製造品と思われます。 それにしてはF4同様状態が良くないですね。 もう少し程度の良いものがあり随分迷いましたが、シリアルはこちらが断然新しく決めました。 思うに、この個体は各部が満遍なく擦れておりモータードライブを常用した形跡はありません。 背面のデータバックは傷が激しく、後付というよりは購入当時からのものでしょう。 1998年と言えばF5の時代です、なぜこのような時代にわざわざF3を購入したのでしょうか。 擦れは上下左右にあり、ケースの出し入れが毎日あったと考えられます。 ロゴの焼けから見ても、フィールドで長い間を過ごしたカメラと言えます。 |
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「ニコンF3最強伝説」 ニコンF3は、F4、F5が発売されても併売された。通常のFは8年程度で王座を明け渡すが、 F3は20年の長きに渡って君臨し続けたのだ。これは異質というか異例のことではなかろうか。 システム化するとさすがに高額になり、素人の手が出るカメラではない。 しかし、F3はワインダーを付けなければじつにコンパクトで大人しいカメラなのだ。 しかして、ワインダーを装備すると攻撃力のある機材に変身する。これはいかついF4にもないことであるし、 F5とも異なる。まさにフイルムカメラの雄であったのだ。 デジカメに追われて生産が中止になった、そう思われているし実際そうなのかもしれない。 しかし、今後20年も生産され30年も愛用されるカメラが出るであろうか。 ここはドイツではない、日本である。この機械先進国であり、伝説のF3を造ったニコンでさえ難しいのではないだろうか。 これから発売されるデジタル一眼レフカメラが、30年も使用され続けるとはtokyoにはどうしても考えられないのだ。 しかして、ニコンF3は最強になり伝説の名機となるであろう。 |
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TOKYO PHOTOGRAPH by shayuzin
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