一枚目 |
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まあ精悍の一言。基本的にブラックであり。チタンシルバー外装のみが普通のカメラのシルバーに相当する。
このカメラ(F3)は現場を離れたカメラと言って良いだろう。今や撮影の現場はデジタルが牙城を築いている。
これからは、ゆっくりと歩むのがF3には相応しい。
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二枚目 |
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ファインダーはアイレベルが標準。ハイアイポイント(HP)が倍率が小さく見やすいが、じっくり撮るならアイレベルしかないだろう。ボデイはF4やF5に比べると相当にコンパクトで驚く。D90なんかよりも小さいのだ。勿論F100よりも小さい。
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三枚目 |
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ファインダー視野率は当然の100%、倍率は0.8倍と視野が広いがHPは0.7倍で視野はかなり狭くなる。一時を争う報道には当然HPである。カメラは見せびらかすものだから、ロゴは霞んだり消えたりしては絶対にイケない。ロゴで買おうね。道具だからガンガン使って当たり前。塗装が剥げても構わない。しかしロゴは駄目。写真家なら命を掛けて守るべきものと心得よう。ロゴを守れないものは自分をも守れない。戦場ならロゴを消そう、守るべきは他にあるからね。平和な日本、ロゴを守れなくて写真家は名乗ってはイケナイ。 何故ならば、そこには開発者の思いが刻まれているからだ。フイルムはカメラが守ってくれる、ロゴは写真家が守ろうね。
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四枚目 |
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ご存知だろうが、マニュアルカメラは一部を除いてロゴは真っ直ぐに彫りこまれる。F3以後のかめらは斜体のロゴになる。ロゴが斜体になったのは1988年4月とされている。社名変更に伴うものだったのだ。どんなに程度がよさげでもシリアルの若い(古い)ものは選ばない、それは鉄則。機械は壊れるものであり、使わなくても劣化する部品は山ほどあるのだ。カメラのボデイやら内部にカビがあるようなのは遠慮。写真家はそんな使い方はしない。
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お写真終わり |
ニコンのガッシリ系のカメラに於いて、F3は拍子抜けするような優しさがある。ガッシリを期待すると本当に肩透かしを食らうカメラだ。いやいや、柔だと言ってるのではない。実際は非常に堅牢に造られているのだが、それを見せ付けないのだ。むしろF3以前のカメラの方が硬く強靭な感じを受ける。しかし、その分飽きが来ないカメラに成ったのではないだろうか。このように非常に大人しい風貌のカメラだが、モータードライブを実装するとバリバリの仕事カメラに変身する。と共に風貌も一変する。なかなかのカメラなのである。巻き上げレバーは見た目と裏腹に非常に軽い。これはトルクを軽減する機構が組み込まれている為で、特有の拘りなのだ。一部の高級カメラを除き安いカメラは巻上げが重い傾向がある、そう言っても過言ではない。コストが掛かっているのだ。ニコンF3を何台も買う人がいる。20年以上も作られたのだから、その間何台も買うことになった人もいるだろう。しかし、20年、いや30年も経てばカメラは有り余るほどに続々と発売されている。それでも、買い続ける魅力というものはじつは買ってみて使って見なければわからない。いやひとつ抜けていた、眺めて見なければだ。F3位見ごたえのあるカメラは中々にない。程度が良ければ良いほど、新品なら(今となっては無理だが)尚のことその美しさには参ってしまうだろう。これはF6でもちょっと及ばない。このカメラは、眺めるために一台。ガンガン使うためにボロボロなのを一台。見せびらかすために、いま少し程度の良いものを一台。そしてチタンカラーを一台、と揃えたくなるカメラなのだ。その心理は病気ではない、いたって正常な心理なのだ。こんなカメラを造る、いや造っていたニコンは凄い。デジタルカメラはどんなに高性能で高価なカメラを持っていても、カメラマンとは思わない。しかし、このカメラF3を持っている人はカメラマンだと認定してしまおう。そんな畏敬のカメラがF3なのである。
またじゃ。
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