ニコンカメラを考察する  2010.9.5




ニコン資料によりニコンカメラを考察してみよう。
この考察は、当ホームページでの勝手な考察であることを最初にお断りしておく。
多分に推測も入るが、もとよりこのコーナーの性質なのでこれもお断りしておく。


1988 ニコンF4・F4S発売。

オートフォーカスの便利さにプロも乗るべきだと判断したと思われるが、カメラ自体は明らかにマニュアルを重視したものであった。プロはオートフォーカスの精度を信用していなかったようだ。
F3はF4が出ても生産され、2001年に製造が中止されている。このことにより、2003年頃までは新品が出回ったと推測される。F3の最終価格は183,000円であり、F4は226,000円とどちらも高価なものであった。
1994 ニコンF90X発売。

時代はオートフォーカスが中心になり、最も信頼できるカメラとして人気があった。
価格は138,000と中級機の価格であった。
1996 ニコンF5発売。

全てに完璧なカメラとして絶大な支持を受けたが、大きく重いのは如何ともし難かった。
価格も325,000円と高額であった。
1998 ニコンF100発売。

F5の性能をそれほど落とさず小型軽量にする、そんな期待されたカメラであった。
価格は199,500円もしたが、使いやすいカメラであった。
1999 D1発売。

デジタル時代の黎明を代表するプロ用カメラが誕生。画素は有効266万と300万にも満たないが、
APS−Cサイズの大型センサーは、余裕の画像で世間をびっくりさせた。
まさにエポックメイキングなカメラであった。発売時価格650,000円。
2001 ニコンFM3A発売。
D1X発売。

ニコンの新型マニュアル機はプロ用ではなかった。あくまでも今までのマニュアル機の延長であった。
発売時価格は96,000円であった。
デジタルは画素を倍の有効530万まで増やしたDXが発売され、徐々にプロ用として浸透していくこととなる。
発売時価格は610,000円。
2002 D100発売

一挙に600万画素という高画質で、まさに市場を席巻したカメラである。
使えるカメラであり、このカメラでフイルムに見切りを付けた人も多い。
価格は300,000円であった。F5とほぼ同じ価格であった。
D100のCCDはソニー製で定評のあるもので、ペンタックスも採用した。のちの大ヒットD40も、
同じ撮像素子を使っている。
tokyoがデジタルカメラを買ったのもこの年で、画素はコンパクトとして最高の有効324万画素であった。
今もこのカメラは家にある。
2003 ニコンU2発売。

市場のフイルムカメラは、各社とも小型軽量・高性能であった。
D40などの原型になったのではなかろうか。
フイルムカメラが使いたくて、荷物に余裕がないときには必ず持っていく。
優れたカメラである。価格は64,000円。
2004 ニコンF6発売。
D70発売。

デジタル時代に突入し、F6はもう出ないのではないかと思われたが発売された。
ニコンとして、ファインダーが外せない最初で最後のFとなった。価格は362,250円(税込)
デジタルは廉価判のD70が出て、デジタルが一般的になった。性能がすこぶる良く、人気のカメラであった。
今でも全く問題なく使えるカメラである。
2005 D200発売。
D70S、D50、D2X発売。

凄いカメラが出ると噂になり、実際凄いカメラであった。今でも充分に使える優れたカメラである。
ただ発色は地味目であり、現在のカメラとは絵作りが違うと思って良い。
このカメラがあって、D300が生まれた。D300は本当に凄いカメラである。使っていないのは、
D90が軽いから、ただそれだけである。プロ用としてはD2Xが有効1240万画素を引っさげて登場する。
2006 ニコンF6とFM10を残し、フイルムカメラの生産を中止。
D80、D40発売。

衝撃的な発表が世界中を駆け巡った。もうニコンはフイルムを見捨てたのか、誰もがそう思った。
時代は残酷であり、ニコンも人の子であったのだろう。
歴史に名を残すだろう名機D40が誕生。ニコンは死んだのではなく、大衆の心をがっちりと掴み不死鳥のごとく羽ばたいたのだ。これも歴史に名を残すだろう名機D90の初代D80が、同時にデビューしている。
2007 D40X、D300、D3発売。

D40Xは失敗したと思う。なぜならばD40があまりにも良すぎたからである。
600万画素と1000万画素の差を見つけることが出来ないだけでなく、ノイズはD40が少なくしかも安かった。
D300は全てのユーザーに受け入れられたと言って良い。D300が良すぎたので、D3も売れに売れた。
使っていないのは、重いからであり分不相応だからだ。画素数が少なくても全然平気な位の描写力が、D3やD300にはある。絵作りが上手いのだ。
こののち、ニコンはキヤノンの猛追を受けることとなる。


デジタルの進歩はパソコンに依存する。パソコンの高性能化がデジタルに拍車を掛けたのである。
パソコン人口は飛躍的に伸び、パソコンは家でも会社でも必須のものとなった。
フイルムをスキャンするには、パソコンの能力だけでなくスキャナーにも努力が必要。現在のパソコンをもってしても
高解像度のスキャンは遅い。つまり、自宅でのデータ化はなかなか困難を極めるのだ。

2008 D60、D700、D90、D3X発売。

D60はD40の後継機種であろうが、D40には及ばなかった。D3の大きさ重さの問題に答えるためにD700が発売された。しかし、グリップを付けると重さはD3を超えてしまった。ソニーのα900と同等の画素をもつD3Xが発売される。
D80の上級機種D90が発売される。D90はD80の後継機種ではなく、D80とD300の間の位置づけであった。
2009 D5000、 D300S、D3000、D3S発売。

この年最も売れたのはD90であり、D5000であった。
D300やD3はマイナーチェンジのみであり、物足りなさが目だった年である。
D90は画素はD300と同じだが、露出の精度はD300に及ばない。そういう面でプロ向きではない。
2010 D7000発売。

D90とほぼ同様のボデイに、D300並みの耐久性と高性能を詰め込んだ中級機が完成。
視野率約100%を達成したのは、サブ機としての意識が非常に強い。プロが使うカメラと言える。



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