カメラマンの戯言 4 2009.6.2


デジタル全盛になって、昔買えなかったカメラが驚くほどの価格で中古店に並んでいる。
程度はともかくあのF5が5万〜6万円で売っている。もちろん時代物のFとかマニュアル物なんかは
決して安くはないが、AF時代のカメラは悲惨といえる価格で売っている。

あーーーっ欲しい。えふごが欲しい。F90Xなんかじゅうさんまんはっせんえんも出して買ったのだ。くっそ〜。
えふごなんてにづうろくまんえんぐらいしたのだ。絶対に買えなかったのだ。重い大きいなんて言い訳なのだ。
ただ単に高かったから買わなかったのだ。純粋に正しい選択だったのだ。それが、
中古とは言えごまんなんぼで買えるのだ。
だがしかし、
あのデジタルのD200もおんなじ位の価格(もちろん中古)で売っているのだ。あのキヤノンの40Dだっておんなじだ。
しかし、ここで二の足を踏むのは実に正しい。
デジタルは新しいものには絶対にかなわないというセオリーがある。デジタルはどんなにあがいても古いものは
ふるーいのだ。
ならば、フイルムカメラはどうだ。みんな古くなってしまった今となっては、中古ならみな同じと違うのか。
いやいやそうではありません。もうフイルムに明日はないと考えるのが相応しい。不安をかかえてコストを掛けるのは
決して利口ではないしエコでもない。第一、少ないシャッターで作品を量産する技量は全くもって持ち合わせていない。
しかし、
フイルムカメラの存在感は何だろう。ただのハコなのに。
デジタルはぜーんぶカメラのせいにできるいいかげんさがあるが、
フイルムカメラってやつはただの空箱だから、何もかも記録代理人がいちいちセットしてやらないと動かない煩わしさがある。
シャッター押したってうんともスンとも言いやしない。
絵がでないだろあたりまえか。いらつくね。

電車を乗り継いでそこそこ上手に焼いてくれるミニラボに行って嫌だなあめんどくさいよ。
第一無駄な交通費だってかかる。
急ぎますか急ぎます超急ぎますっ
撮ったらすぐ結果は知りたいのです。明日なんかにしたら作品は間違いなく伸びてしまいますいや冷めてしまいます。
やだなあ、
ほんとはこんなのが嫌なんです。
それでできあがると。封筒から出す瞬間。いいなあ、間違い。どきどきどきどき。
腕が良いからさ。ま自称プロだから、、、、とうそぶいていてもどきどきの瞬間は容赦なくやって来るのです。

みろー。そんなもんだ。あひゃひゃ飛んでるう。この瞬間、腕を信じて疑わない記録代理人は
だからやなんだよフイルムは。ネガなんてうまく焼けねーしと吠えたりするのです。

もう確実にフイルムレスの時代はやってくる。あと10年の保証があるのなら考えてもいいが、まず無理でしょう。
趣味として収集するのもいいけれど、
写真機は道具なのだからやはり空箱になっては意味がない、、、、、。
作家にも写真家にもそんな余裕なんかないのが本当と考えます。

毎日、銀座のカメラ店のショーウインドウにおカメラ様達は鎮座しています。
そう、
ほとんど毎日のように通り過ぎウインドウを覗きます。
鉄の塊だったり
プラスチックの塊だったり

彼らは黙って鎮座しています。
そのウインドウからいつの日か、何処かへ旅たって行くのかも知れません。
君の見た雑踏の町、銀座。

君が眠りから覚めたとき、君は何処の街を写すのだろう。

なんてね。



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