ニコンF4 (1988年-1996年)
F5同様8年間に渡り製造されたフイルムカメラの雄。
ニコンF4です。 当時はF601を使っており、気持ちは中判しかなかったので 購入には到らなかった。(買えなかった) F90Xが5年後の発売であるから、機能の点でははるかに進んでいました。入手した個体は最終ロット品にもかかわらず、状態は非常に良くない、まさに歴戦の雄です。長いことほおりっぱなしだったと思われます。 どうやら最後はtokyoの所で迎えそうです。 最高速1/8000秒。4.0コマ/秒。 5分割マルチパターン測光採用。 視野率100%。倍率0.75倍。 ファインダー交換可能。 シャッター耐久性10万回。 発売時価格¥22,6000。 重量1090g。 |
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F4は市場でも不人気で 価格も安く放出されています。 ボデイはプラスチックでF90Xあたりとなんら変りません。 しかし、ミノルタαxiもキヤノンEOS1も皆プラスチックであったのです。この頃はぶつけると凹む金属より、簡単には凹まない(割れない)エンジニアプラスチックがコスト的にも重量的にも良かったと思われます。 改めてF100と比べて見ると、時代の流れがそのまま 手に取るように感じられます。確かにF4の時代は終わったのです。 このカメラは20年も前に発売されたカメラであると いうこと。そして当時垂涎のフラッグシップであった という事実。これは決して消えることはありません。 現在のF6もD3もD3Xも、このカメラか培った技術の裏付けにより存在するのです。カメラが道具であり、道具とはどういうものなのか。 それを本当に知ることができるカメラと言えます。 |
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液晶パネルがない軍艦部。 解りやすい露出補正の大きなダイヤルと、 シャッタースピードのダイヤルが このカメラの性格を物語ります。 ボデイはノーマルで1キロ弱ですがF4S仕様だと、F5とあまり変らない重さになります。やはり、非常に重いカメラです。 |
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バッテリーパックのない方が使いやすい。 重量と大きさを考えると これでtokyoには充分。 なにせもうフイルムは安くないのだ。 フイルムで連写をする時代は 終わったのです。 もうこのようなカメラはないので貴重。 とは言えど、 デジタル時代の人には 薦められない名機です。 |
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「考察」 当個体はシリアルナンバーから推測するに最終ロット品と思われます。それにしては状態が良くない。 まあ、生産終了後13年経つのだからそうなのかもしれないが・・・。各部を子細に点検してみると、モルトは真新しい。 フイルムは相当数通した形跡があるが丁寧な所作と見える。 塗装の剥げ具合や底部の擦れ、バッテリー蓋の状況を見ると使い方は並でありません。 製造中止と同時にF5が発売されているのだから、これほど使う人間が黙っているとは考えにくい・・・。 年に200本このカメラに通すとしても、実際に使って4〜5年と考えるのが妥当でしょう。 そうならばば、シャッターはまだまだ耐用期限内にあると推測されます。 ファインダーはF90Xに比べるとやや暗く感じますが、その分ピントの山はつかみやすいようです。 「エンジニアプラスチック」 プラボデイと一言で言っているが、ただのプラスチックではなく高剛性を持つエンジニアプラスチックを指します。 同じ衝撃なら真鍮なぞより剛性は強いはず。よって金属ボデイのカメラが凹むような衝撃でも何とか耐えるらしい。 小さな部品は欠けたりするが、広い部品はかなりの剛性を持つらしい。tokyoはエンプラボデイを長いこと使っていたが、 傷は付けども割れたりしない頑丈さには今もって感心しているのです。 今時の低価格カメラに定番の、あの大切なレンズマウント部分のプラスチック部分。 レンズのマウント部分の茶色いあれもそうです。プラスチックとは言えど、スチールと違わない耐久性・剛性が あるのです。 「機能」 F90X、F100、F4の三機種で実際の動作を比較してみました。 シャッター音はこの順番で高くなる感じです。F90Xはやや重く、F100は中庸、F4は明らかに高く鋭い。 つまりこの順番で切れが良く感じます。ただし、シャッターそのものはF100が最も軽快でシャッターの ストロークも良いように思います。 Ai28mmF3.5を装着して見ると、F4のファインダーが一番フラットで明るい。F100もF90Xもやや及ばない。 F100はファインダーそのものがやや暗く、F90Xは倍率が高いためか周辺の減光が気になります。 安価な旧型のズームレンズ、AF35-80mmDとAF80-200mmDを装着してのテストでは、 F100、F90X、F4の順で合焦が良い感じです。やはりフイルムカメラでは、開放値の明るいレンズが欲しい。 操作性はF4が一番悪い。モードを途中で切り替えるようなことはしないほうが賢明です。 三機種とも操作方法が異なるので、同時には持参しないほうが良いかもしれません。 スペック的にはF100が優れていますが、F4のファインダーはかなり良く見えるので迷う所です。 |
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TOKYO PHOTOGRAPH by shayuzin
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