ニコマートEL (1972年12月発売)
ニコマートELです。 ニコマートFTNの改良版として発売。 価格が高めなのは、電子シャッターなど 電子制御化したためでしょう。 最高速1/1000秒。 TTL開放測光・中央重点測光採用。 コパル製縦走金属シャッター幕採用。 視野率92%。倍率0.80倍。 ミラーアップ可能。 発売時価格¥60,500。 重量780g。 |
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シャッターダイヤルは軍艦部に移動しました。 フイルム感度もここにあります。 ニコマートFT2と比べると僅かに横幅が狭い。 ダイヤルが増えたので軍艦部が狭くなり、 小型のカメラに見えますが、決して小さいカメラではなく又重いカメラでもあります。 |
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シャッター速度も感度も一目瞭然。 巻き上げレバーにプラスチックの指あてが付きました。 ペンタ部はすべてスチールで、やや台形。 それ故大人しい印象を受けるカメラです。 FTとELは別の路線を行ったカメラです。 |
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シンプルな背面。 フイルムメモホルダーもありません。 シリアルナンバーは軍艦部ではなく背面にあります。 (シリアルは消しています) 左のボタンは電源チェック用で、押すと右のボタンが黄色に光ります。バッテリーはマウントの後にあり、ミラーアップしてからでなければ交換できません。 |
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ニコマートFTシリーズとニコマートELは互いに統合しながら、違う路線のカメラとして製造された。 ニコマートFTの最終形はニコマートFT3で1977年3月に発売。 ニコマートELの最終形はニコマートELWで1976年2月に発売。 ニコンFEが発売されたのは1977年5月である。 同時にニコンEL2が発売されている。ニコンEL2はあくまでもニコマートELやELWの発展型であり、軽量なFEとはまるで別物と言って良い。 このニコンEL2は普及版カメラとしてはじめて、ニコンの名が冠せられた記念すべきカメラでもある。 これを境にカメラは全てがニコンを称するのだ。 ニコンFEとニコンEL2を並べると、カメラの造りの違いがはっきりとわかる。 ニコンFEは明らかに廉価判カメラなのだ。重くて頑丈なカメラの終焉が訪れたと言っても良い。 ニコンの名を冠したカメラに進級できたのはニコマートELであり、ニコマートFTはFT3にはなったものの、とうとうニコンの名を冠することは叶わなかった。 最後までニコマートとして生き、終わったのだ。 ニコマートFT2とFT3は外観の差が非常に少なく、ほとんど同じように見える。短命で終わったカメラだけに市場で見ることは少ないだろう。 ニコマートFTシリーズは非常にスマートなカメラで、多分にニコンの設計者にも人気があったのだろう。 最後までELと併売されたことに、ニコンの拘りを感ずる。 |
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TOKYO PHOTOGRAPH by shayuzin
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