ニコンF4とF5の違い 2010.2.8
ニコンF4とF5は全く違うカメラなのだろうか。確かに外観はまるで違う。材質も違う。F5は1996年で、 F4は1988年でF5より8年も前に発売のカメラと言うことになります。製品から言ったらF5は全ての面で F4を凌いでいなければ8年も掛けた意味がなくなる。そういうレベルです。 F4が不評だったのは、偏にボデイの材質によるものだと巷では論破されてきました。実際製品を手に取って みると、長く使われた物はテカリが出て著しく品格を損ねる。しかし。真鍮なら良いのかと言うとこれはもっと 駄目である。使い古した道具は皆そうなのだけれど、カメラは量産品なので誤解はしてはいけない。 真鍮が剥げるほど使うのはやはり駄目なのだ。そしてアタリのあるのはもっと駄目なのだ。 一つ物を長く愛用するというのは、カメラが道具であるならばある意味偽善だ。(違うけどなあ) 道具は丁寧に使い、道具を傷めるのは最悪と心得よう。落とすのも駄目。ぶつけるのも言語道断なのだ。 カメラ使いは道具を傷めては駄目なのだ。(良いこと言うなあ) なにせほれ、中古で良いのが出なくなるでしょ。剥げたりアタッたカメラは買いたくないでしょやっぱり。 下取りも安くなるでしょやっぱり。あはははは。 というわけで、道具は次に使うかも知れん人のために大事に使うのだわい。(またでたか) 手元にあるチープなAF35-80mmを装着してファインダーの してみます。なぜにチープなレンズかというと、この方が良くわかるのです。モーター内臓のレンズだと 良し悪しが中々わかりません。 オートフォーカスの合焦は、F5がさすがに速いというか強力に決まる。F4だとやや迷いがでて少し往復するが F5はギギっと言って瞬時に止まる。この感じは強力なモーターとブレーキでねじ伏せる感じがする。 これだけでも感動ものです。F4が迷った分だけ間違いなくシャッターチャンスは逃します。しかし、これも F5と比較しての場合であり、一般的には問題ないでしょう。ただ、マニュアルフォーカスに慣れている人は tokyoもそうなのだけれど、本当はマニュアルのほうが速かったりもする。 これは信じられないかも知れませんが本当です。Gタイプのレンズの場合は当然F4でもフォーカスは 充分に速くなります。つまり、基本の合掌精度はそれほど悪くはないのです。 シャッター音はF5は撮れました系の音。間違いなく撮れたと示す音です。F4はやりました系の音。メカニカル な鋭い響きは名刀村正のような切れ味。確かにその場面切り取ったぞよ系でもあります。 同時に比較したF100とF80はどうなのでしょうか。と言うと。 F100は量産系の音でしょうか。一眼レフカメラらしい一般的な中庸な音。 F90Xに似た音ですが、F90xよりはやや重みがある音がします。 F80はシャッター音はかなり静かで、これはこれで良いのだろうけれど少々頼りなくもない。 実際の現場では大きなシャッター音は実は鬼門なのです。しかし、機械としてみる確実に撮れたように 感じさせる大きなシャッター音は写真家にはとても重要なのです。 次にファインダーの見えです。 ファインダー倍率はF4が0.75倍で、F5が0.7倍です。F4の方がやや画面が広く見えます。 以前単焦点28mmを装着した時は、F4がややファインダーの見えが良く感じましたがチープなAF35-80mmでは やや印象が異なります。35mm周辺光量が落ちるのは同じですが、35mmで室内を見た場合F4がほんの少しだけ 明るく感じます。ファインダーの違いが微妙に出るはずですが、明るい室外ではそれほど違いが感じられません。 ある輝度域から光量が落ちるのかも知れません。F5はファインダーが素通しではありませんから一定の条件で 差が出てくるのでしょう。ピーカンならばそれほど違わないでしょう。 F100とF80はこの二台とはやや異なるファインダーの見えになります。これはファインダーの視野率が全く異なる からであり、どうしようもありません。恐らくプリズムの大きさや蒸着など色々な面が異なっているのでしょう。 倍率はF80が0.75倍、F100が0.7倍なのでF80の方がややファインダー面は広く見えます。 パッと見た時にはボデイの小ささとは裏腹にファインダーの見えにびっくりします。どう見比べてもF80の方が 画面が広く見えます。 さて露出です。 F4は5分割マルチパターン測光。F5は1005分割RGBマルチパターン測光です。 下位機種のF100及びF80は3D-10分割マルチパターン測光となっています。 室内での測定では、F5がかなりリリカルでF4はまったりとした感じ。これは多分にF5の1005分割マルチパターン 測光が効いていると思われます。このテストに限りF4が半絞り程オーバーな値を示すようです。 F100はF5とほぼ同じ値を示しましたが、F5程リリカルではありません。 フイルムには実効感度という乳剤などによる感度のばらつきがありますので、 個々のフイルムには多少のばらつきがあることを考慮して撮影しないといけません。 レンズについて。 F4は従来方式レンズ、つまり非Aiレンズが使えます。F5は改造しなければ装着も使用もできません。 非Aiレンズは相当古いレンズなので程度の良いものは中々ありません。しかし、まだまだ使えるのも事実です。 絞込み測光とマニュアルで使用が可能です。F4の良さは古いレンズが使える楽しみでしょうか。 F5はVRレンズが使用できます。F100、F80、U、U2はVRが使用できますがF4はVR機能は使えません。 ここに棲み分けが存在するのです。 F4というカメラは液晶表示パネルがないから迷いがない。ダイヤルを廻さなければ設定の変更はできません。 これは従来型カメラと少しも変りません。面倒だが確実で一番安心ができる方式だと思います。 だから最新型のカメラと混在して使うことは迷いが生じるので駄目です。 F5は今風のカメラと変らない。F100やF80をサブカメラとして使用ができる。これはメリットになるでしょう。 つづく |