一枚目。
覗いて目を疑った。なんだこれは。今まで室内で色々なレンズを付けて撮ったりしたが、まるで違う写り。
すまん、マウントないので左手でレンズをあてがいマニュアルで撮っているのだ。
絞りは開放だ。
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二枚目。
これを見て、いやファインダーを覗いて驚いた。カーテンの布目が見える。絞りは開放。
上の画像より明るいのは輝度を+2上げたため。扇風機に見える色付きはテレビの映像が
写っているもの。
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すまん、このレンズなのだよ。
黄変したアトムレンズ。
これを左手でマウントにあてがい、シャッターを切った。
黄変したレンズでも黄色く写ることはない。そう、黄色いのはトリウムのせいで
コーティングなどではない。素通りするのだ(恐ろしい)。
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三枚目。
いやじつはピントも何もいじれず、そのまま撮っただけだが焦点が合った所は非常にシャープだ。
CCDとCMOSは基本的に発色が違う。CCDは鮮やかだと思って良いだろう。CMOSはCCDよりは地味だが、高忠実度である。
端的に言えば、CMOSはフイルムにやや近く、CCDはいわゆるデジタルカメラの感じになる。日ごろ見慣れたテレビの撮像子もCCDがほとんどである。これを使い分けると、フイルムを使い分ける感じになるだろう。分光特性も感度も違うので、ソフトで弄ってもなかなかフイルムのようにはいかない。このようなレンズ(大口径標準レンズね)を使うと、その辺が良くわかる。
写真はデジタルならば、このようにレンズをマウントに付けなくても撮れる。
レンズの実力はこの写真以上であることを、お断りしておく。
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D90+スーパータクマー55mmF1.8。手前のタイマーの赤いボタンが、いずれも綺麗に出ている。400%に拡大しても滲みは全く見えない。ISOは200。暗いので+2.3補正。色温度4500K。CMOSはやや地味な発色で、ブルーが濃く出ている。赤はやや地味だが、見た目には近い。緑は地味だが、見た目に近いかというレベル。コンパクトは見た目に近い。
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α350+スーパータクマー55mmF1.8。ピントはマウントより数センチ離して合う。
よって光軸が傾きピントが中ヌケになっている。D90とは比べ物にならないほどファインダーは狭くて暗いので、D90で覗いたような感激はまるでない。アバウトで良く撮れたものだ。この写真は翌日に撮影。ISO400でも暗いので+1.6補正。多少ノイズが出る。色温度4500K。
色はCCDの方がよく出る。ブルーは見た目に近いが、赤がやや鮮やかに出ている。緑も鮮やか。グレーは見た目に近い。
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画像の通り、黄変したレンズによるホワイトバランスは変化なし。しかも色のりも良い。
この画像(加工前ね)と現物を比較して見ているけど、最も見た目に近い写りであり少々驚いている。
タクマーの描写は良いのは解っていたとはいえど、ここまで凄いとは思わなかった。
最悪の撮影状態とは信じられない安定した画像で、隅から隅まで破綻がない画像には感心する。
なるほどアトムレンズだ。50mmF1.4もバリバリにシャープなレンズであったが、
この55mmもたいしたレンズだ。色の滲みが全くといって感じられない。これは拡大しても同じである。
400%まで拡大しても滲みは見られない。
また、画像周辺までこれは変らなかった。これはトリウムレンズが効いている」証拠である。
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標準レンズに使うレンズは7枚とか8枚。これで充分に補正がされたとは言えど、さらなる補正を加えたり
レンズを小型化して収差を抑えるのには低分散レンズや、異常分散レンズを使用しなければならない。
また、高屈折レンズも必要である。
酸化トリウムをガラスに混ぜるとこ高屈折レンズができたとされています。
高屈折レンズを使用することによりレンズを薄く小型化し、低分散レンズを適当な位置に配して、
収差を補正したわけである。
現在では当然危険な物質を混入することはなく、様々な材料を混入して光学レンズを作っている。
トリウム入りレンズとして有名なのは、ドイツのライツ社のズミルックスレンズである。
もちろん、現在のズミルックスにはトリウムは使われていない。
このライカレンズの描写に追いつき追い越すのが、日本のレンズの悲願でもあったのだろう。
各社でトリウム入りレンズが製造されたと言われる。
スーパータクマーは、日本で最も有名なトリウムレンズ=アトムレンズ(俗称)と言える。
描写はやはり、収差の少ないもので素晴らしい。
現在はランタンなどが材料になっているらしいが、どうもトリウムの方が良いのではという疑問が残る。
違っているかもしれないが、ニコンの50mmF1.4や28mmF3.5と比しても、
一見してわかるほどスーパータクマー55mmF1.8の描写は良く見える。
画像の甘さや甘えが全く見られないもので、こんなに小さいレンズなのにと思ってしまう。
しかも思いっきり黄色いのに、ニコンの旧型レンズよりヌケが良い。(こんなのありか)
あの当時、(40年前ね)それほど性能が良いとは言えなかったフイルムの時代でも、
図抜けた解像力というか、良く写ったのだ。納得である。収差が極限まで補正されていたのだ。
黄色いレンズ(トリウムね)恐るべしである。
まあ、被爆はするから薦められませんけど。
そういえば(まだかよ)、
かの昔、ベルビアをペンタックスに詰めて夜景を撮りましたな。もち、レンズは50mmF1.4だす。
もう、下をもとい舌を巻くほどのシャープさ。
ベルビアは凄いねえ、じゃなかったんだね。アトムだったのね。凄いわけさ。
まあ、誤解をされないように。
今時の、バリバリに補正しまくりのレンズには負けます多分。
しかし、表向きEDレンズもSDレンズも使っていないのでそもそも比較にならない。
45年も前のレンズなんで、やっぱ凄いか。
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この項終わり |
またじゃ。
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