ニッコール年表50mmF1.4  2010.11.3




ニコン資料によりニコンレンズを考察してみよう。
この考察は、当ホームページでの勝手な考察でもあることを最初にお断りしておく。
多分に推測も入るが、もとよりこのコーナーの性質なのでこれもお断りしておく。
なお詳しくは「ニッコール千夜一夜物語」を参照されたい。(参考資料:ニコン、ニッコール千夜一夜物語」

1962 ニッコールSオート50mmF1.4発売。

ニコンF発売から3年遅れて50mmが発売される。同時発売に到らなかったのは設計の困難さを示している。
しかして、連綿と続く一眼レフ50mm標準レンズの歴史はここからスタートする。
1960年には5.8センチF1.4が発売されていたが。描写は期待するほどではなく、50mmを標準とする方針により設計の見直しをされたのが50mmであったとされる。
50mmF1.4の設計者は脇本 善司氏と清水義之氏であった。
1972 ニッコールSオート50mmF1.4(C)発売。

コーティングを多層化したCタイプが発売される。この間10年、50mmは不動のものとなった。
ニコンFやニコンF2に装備され、ニコンの顔となったレンズと言って良い。
1974 ニューニッコール50mmF1.4発売。

発売後12年を経て、全く新しいレンズが作られた。
旧ニッコールは12年の長きに渡り、ニッコールの標準レンズとして君臨したのである。
1976 ニューニッコール50mmF1.4S発売。
1977 Aiニッコール50mmF1.4発売。

Ai化により多くのレンズがリニューアルされた。光学系は変らない。
1981 Aiニッコール50mmF1.4S発売。
1986 AiAFニッコール50mmF1.4S発売。

オートフォーカス用レンズが発売された。マニュアルもそのまま併売される。
1991 AiAFニッコール50mmF1.4S(ニュー)発売。
1995 AiAFニッコール50mmF1.4D発売。

距離情報を伝達するDタイプレンズとして発売。
2008 AF-Sニッコール50mmF1.4G発売。

Dタイプより13年、Sタイプより22年を経ての全面改良レンズの発売である。
描写性能はレンズの追加によりは向上したが、絞りリングは残念ながらなくなってしまった。

ご覧の通りニッコール50mmF1.4は50年以上に渡り生産されている。
しかして、基本は変らずに今日まできている。
設計が古いのではなくて、設計の変更がない完璧なレンズであったと考えるのが理にかなっているであろう。
ニッコールオートは写真の原点であると言っても過言ではない。そして、写真家の原点でもあるのだろう。
外国製のカメラに憧憬する前に、凌ぎを削った先人のニコンとニッコールを胸に写真を撮りたいものだ。





(じゃわいじじい談)

現在はニューニッコールしか持っていないが、
かつてはAF50mmF1.4Sをかなり使っていた時期があった。残念ながら今はない。売却してしまったのじゃ。
路地裏撮影にはやや焦点が長く、シグマの28mmが活躍しており、出番がなくなったのじゃのう。




つづく。

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