覆い焼きによる焼き込み


焼き込みは、露出オーバーを補正するもっとも有効な手段です。 
引き伸ばし機と印画紙の間に、厚紙もしくは両方の手を使って部分的に
露光をさえぎり、露出オーバーの部分に多くの時間露光することで補正します。
黒いピアノ線の先に黒い厚紙で、丸や楕円などの形をした
ものを貼り付けて使用することもあります。 たとえ覆っていても
光は回り込んでいるので、焼き込みをする場合はトータルの時間をあらかじめ
計算してから望むことが重要です。 露光中は小刻みに手や紙を動かして、
境界線が目立たないようにすることです。
ひとつの作品を完成させるのに、10回程露光することもあります。


下の例は、キャビネサイズのプリントを600dpiで取り込んだ画像です。

月光多階調ペーパー
MD-F に、建物に露出を合わせてそのまま焼いたものです。
バックが完全に飛んでしまっています。この露出差は完全に印画紙の許容値を超えてしまっているのです。ラボに頼んでも、自動ならばこんなものでしょう。
これはこれでいいのですが、メインは後ろの煙突です。
手前のコンクリートの建物も、
質感が全く出ていません。
覆い焼きをしたもの。
路地が少し明るすぎたので、
ちょうどよいぐらいになりました。
手前はもう少し明るくてもよいが、バランス的にはこれでもかまいません。白黒写真では、影の部分をギリギリに残すとよいでしょう。
画面が小さいのでわかりづらいと思いますが、この写真もギリギリまでシャドウを落としています。

HPに載せる場合、このままでは暗いだけの作品に見えるので、全体に明るさをプラスすることになります。

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