<フイルムと印画紙の退色や変色について>

ミニラボなど機械処理のものは、時間を短縮するため高温処理を行っており、
液の疲労が激しく管理(液の取替え)に信頼の出来る店以外はやめた方がいいですね。
印画紙(写真)が数年を経て変色・退色するようなミニラボは、フイルムの現像液も推して知るべしと
言えます。ただし、最近のミニラボでデジタル化や処理液のカートリッジ化などもあり、信頼性は
上がっています。フイルムの退色は印画紙より遅いので、退色した写真は早めに
自家プリントしておくことです。自家プリント処理及び自家フイルム現像ならば、
退色の危険はかなり防げます。退色の場合、印画紙の真っ白かったのが全体的に黄ばんで
しまうのは定着処理に問題がある訳でまだましです。 イエローが抜けて赤紫色や赤茶けた色に
なってしまった場合は、現像液そのものに問題があったと考えられます。 
数年前、京都旅行の時撮影したフイルムを即日京都のミニラボに出したものは、全て変色して
しまっていました。翌年また京都に行き、同じラボに即日仕上げで出したものも同様でした。
繁華街のミニラボにも翌日出しているのだが、そちらは未だ持って退色はしていません。

実例 1

一年も待たなかった写真


10年を一つのサイクルとして考えて見ると、10年持つ写真ならばまあ好しとすべしでしょう。 
いずれの家でも写真は部屋に飾られているものがあるはずで、目立って色が褪せたら
気色悪いことこの上ないに違いありません。10年ならば多少はあきらめも付くというものです。
パソコンによるインクジェット式のプリントは退色がひどく、表に出していたら数年どころか
場合によっては一年も持たないのが現状です。そういう面では、
まだまだ印画紙に分があると言えるでしょう。

自家現像、特にプリントについては最も関心のあるのが、自家処理したプリントが
一般ラボ並に持つかと言うことです。マニュアル通りならば安心ではあるが、当方のやり方は
イレギュラーな点が多々あるので非常に気にしています。5〜6年前の自家処理プリントを
見てみると、全体に黄ばんでいるプリントが出てきています。これは半切のものに多く、
現像液をケチったからに他なりません。 半切一枚は、六つ切り四枚に相当するので
すぐに液が疲労してしまうからなのです。 六つ切りの場合も、一度に何枚も現像するよりも
一枚ずつの方が現像液の疲労は少ないです。 
これは小型ドラム現像の構造上の現象と言えます。 少量の液でムダのない処理が出来るのが
ドラム現像の利点ですが、基本は一回ごとの現像液の使い捨てであるということなのです。 
つまり、ドラム処理において正しく使い捨てを守るならば、
前述のような短期間の経年による黄ばみは生じないでしょう。 

実例 2

旅行から帰ってきて、
当時自家処理した六つ切りのプリントを
最近スキャナーで取り込んだもの。
補正はしていません。


印画紙の構造上、印画紙の周辺はとくに変色しやすいので
充分な水洗いと乾燥をしなければなりません。 カラープリント処理は、
発色と定着の2液処理ですので、一度ごとの使い捨てならば発色現像から定着現像に移る時の
中間の水洗いは不要です。 しかし、一度で処理液は使えなくなるわけではないので
何度か再利用することとなります。 
この場合は、発色から定着に移るさい必ず水洗いをしなければだめです。
発色液と定着液が混ざると、プリントは黄色っぽくなったり、紫が不足したりします。 
もちろん、経年による黄変も避けられないでしょう。
なお、新液の場合は発色液に一適でも定着液が混ざると現像液は使えなくなるので
細心の注意が必要です。 何度やっても色が出ない場合、黄色っぽくなり補正が効かない場合は
液の混合を疑うことです。 自家処理の場合、台所など水処理をするスペースは限られており
知らない間に液が混じる可能性があります。 




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