テクニクス SB-1000 と言うスピーカーがあった         2020.6.19

 市場にある、ありとあらゆるスピーカーを試聴した


買うために聞くのではありません。 当時はお金もなく、スピーカーユニットをコツコツと買ってきて組むのです。

市販のスピーカーはお手本でもあり、試聴はスピーカーの追及には欠かせませんでした。 コストパフォーマンスを追求したのです。

当然ながら、高級なもの高額なもの程為になる要素はありました。 でも、考えることもやることも同じだったりして・・・。

そう言う時代が、確かにありました。 スピーカーはアンプなどと違って、思うように成らない思うように鳴らない典型でした。

テクニクスSB-1000は、凄かったです。

テクニクス  SB-1000  1973年  180,000円   52キロ。 内部。 当時としては、至って普通。
周波数特性は平坦で、歪率も低い。      中域、高域共にドーム型。
       
※ 画像・資料は「オーディオの足跡」様から引用


1973年9月22日 試聴レポート   テクニクス銀座  カートリッジテクニクス205CⅡ SL-1200 

試聴距離3.5m 音量ハイレベル

テクニクス  SB-1000

結論を先に言うと、価格18万円以上のクオリティを持ったスピーカーシステムと感じた。
確かに他のメーカーでは、どんなにお金をかけても、この音を出すのは難しいであろうと思う。

1.バランスが良いので、スリーウエイと言う感じが全くしない。
2.どんなにパワーを入れても、音が崩れない。
3.物凄く抜けが良い。
4.ウーファーの分解能が良いので、音が濁らない。
5.音が鮮明で粒立ちが良く、非常にリアルなサウンドだ。
6.ドーム型にもかかわらず、人声が実にふくよかでリアルだ。
7.打楽器のアタックが、物凄くリアルでけたたましい。

些細なレコードの録音の悪さも、このスピーカーは再生してしまうので、古いレコードは注意しなくてはいけないと思う。
弦楽器等は、すぐに録音の善し悪しがバレてしまう。(ホーンの鳴き現象)
スケールの大きなサウンドで、実に明快しかも繊細そのもの。
このシステムで、再生できぬソースは無いと思う。

音楽を正しく再生するが、決して美しく再生するシステムではない。
ブックシェルフが室内に持ち込めるサイズだとする現在では、これ以上のシステムは各メーカーのどこを探しても
見つからない。
強烈な製品!!
現在のソースは音が悪すぎるので、SB-1000はフルにその能力を発揮できないと思う。


 1973年10月20日 試聴レポート   ヤマギワ電気  レコード  アンプ:ヤマハCA-1000

テクニクス  SB-1000

中高域のレベルが強く、低音は完全に抜けているので、ほとんど聞き取れない。
非常にハッキリとした音で、粒立ちもある。 中高域の拡散が良い。
ガチっとした高音は、素晴らしい。
レコードの良し悪しを、物凄くシビアに表現するシステムである。


日立のHS-500 

に切り替えたとたんに、全く聞こえなかった(?)低音が、どど~んとばかりに押し出してくる。
高域はまさに高級アルミホーンの爽やかさを持つが、如何せんツーウエイの音である。
箱の設計に問題がある。
 
ビクターのSX-3
 

低音がどっしりとして、実に滑らかな高音である。
フラット6システム(自己制作)に、非常に似た音である。 シングルコーンのような音のする、実にまとまりの良い音だが
低音がブーミーで、どう聞いても襖の奥で聞いている感がある。 所謂、胴間声なのである。
高域も伸び切っておらず、アタックは全く感じられない。 これを聴いていた人が、SB-1000よりも音が良いなどと囁いていたが
全くそのように思えるほど、一般好みの音にしてしまう癖が見受けられる。
しかし、レコードのソースからして、最も忠実度の高い音はSB-1000だと私は思った。
弦ベースがボンつくなど、とんでもないことである。 他のシステムは全て、モヤモヤとしていると言える。


現在のスピーカーとは、全く違う音がしていました。 しかし、それがダメなのかと言うのは今でも言い切れません。

日立 LO-D HS-500   1969年  85,000円 22キロ     優等生的な周波数特性です。 2WAYの良さが出ています。
     
ビクター SX-3  1973年  27,900円  13.3キロ
高域ソフトドーム
    周波数特性から見ても、高域はレベルが落ちています。
       

※ 画像・資料は「オーディオの足跡」様から引用


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