カズワンが引き上げられ、遺留品が公開されました。

その中にレンズ一式とフード、エクステンダー、メモリーカードなどがありました。

一目でキヤノンの600ｍｍと分かりました。　現行品ではなく初期の製品。

発売は1999年です。　このレンズは20年以上もオーナーに大事にされ、

そして、オーナーと共に海の底に沈みました。　大事なところには、必ず共に行ったのでしょう。

カメラとレンズは、いつもオーナーと共にあったと思います。

自分もアマチュアとは言えどカメラマン、その気持ちは痛いほどに分かります。

登山家は山で死ぬのが本望とか。　そんなことがあって良い訳もありません。

写真家は、写真を撮ってこそ本望。

この鉄とガラスの塊のような相棒、それは揺るぎない信頼の賜物なのです。

沿岸に出没すると言う、ヒグマを撮ろうとしたのでしょうか。　

エクステンダーも用意し万全だったと思います。　

それなのに、思いは打ち砕かれてしまいました。

思わず、目頭が熱くなりました。

こんな形で人生が終わって、無念だったと思います