東京写真オーデイオ東京写真オーディオスペシャル

パイオニアのハイエンドスピーカーシステムのTAD CE1を聴いてきた。






2014年11月末発売のTADシリーズの最廉価版のスピーカーシステムの視聴会があったので、
早速行ってみた。場所は秋葉原某オーディオ専門店。

TADの説明員の説明を挟みながら約二時間。ハイレゾ音源も交えてジャンルは多岐にわたった。
感じたのは、意外なほどの大人しさ。いや、椅子席は15席で二列目の端だったからかも知れないが・・・。
音の透明度は解る。スケールもブックシェルフを考えると決して小さくはない。

弦楽器はいいが、ブラス系が同時合奏するとやや分解能に欠けるようにも聴こえた。少なくともこの席では。
女性ボーカルはやや精彩を欠くというか、もしかしたらこの音が本当の音なのかも知れない。

視聴室は広いのだが、他のスピーカーが沢山あるので、半分前に出てきたように設定。音響ボードが取り巻いて壁を作っている感じ。どうも、このせいでボーカルの抜けが悪いのかも知れない・・・。

それでも、我が家のB&WやらKEFと比較したらどうなのかと言ったら、間違いなくTADCE-1の音は良い。
我が家の安価システムに比べると、音に相応の厚みがあるように聞こえる。

ピアノの音はやや高音より、やせ気味にも聴こえるが、これは視聴のCDがそうなのかも知れない・・・。
ビヴラホンの音は純度がとても良い。バイオリンではやや高音部が不足して聞こえる。
厚みはあるし繊細さもあるのだが、演奏者は見えてこない。

いくらでも音量を上げられるスピーカなのだろう。そういう意味では嫌みのないスピーカーだと言える。
B&Wのスピーカーのような押しの強さが感じられない。

B&Wの800ダイヤモンドをこの同じ部屋で視聴したことがあるが、その時のような驚きと感動は全く無かった。
これは期待して来ただけに残念な点。

やはり中音部から高音部にかけてはB&Wのようにバッフル効果のないスピーカーシステムが功を奏するような気がする。

確かに同軸スピーカーは定位に長けていることは認めるが、反面コーンとの干渉も気になる・・・。
つながりが良いとはいえど、異なる振動板は所詮つながりが悪い。道路のアスファルトと路肩のコンクリートの段差をいくら平坦にしたところでアスファルトはコンクリートになれないし、コンクリートはアスファルトにはなれない。
平坦なのは見た目、つまりオーディオでいえば測定器のデータだけということになる。

つまり、音楽性は異素材のものである限り同軸でない従来のスピーカーシステムは決し大きなマイナスとはならない。
KEFの同軸もそうであるが、昔流行ったアルテックのスピーカーやらかつてのパイオニアPAXシリーズのマルチセルラホーンの時代とは違う気がする。

やはり高音と中高音のつながりが周波数的、音圧的なつながりではなく、異素材のつながりとして聞こえてしまうのだ。
よって、音が痩せる。クリアーなのだけれど、何かが削がれている。

少なくとも私にはそう聞こえた。

楽器は点音源ではない。オーケストラも点音源ではない。ピアノもそう。

点音源のメリットは体を動かしても音源が移動しないこと。逆に言えばメリットはそれだけかも知れない。
優れたユニットはそれどうしが干渉しないように離すのが正しいのではないか。

聴取位置は決まっているのだから、中高音部をチルト出来るように考えた方がオーディオ的には良いはずだ。





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