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45年前のカートリッジがよみがえる

     
1969年か1970年に購入のカートリッジ、テクニクス200C。

カンチレバーなど根こそぎなくなってしまったので使用不能に・・・。
もう数十年は経っている。当時の価格で19500円、とても高かった。
大事に使ったのだが、オーディオブームの衰退と、筆者の耳の都合で壊れたままに・・・。

当然ながらもう針は販売していない。
運よくネットで新品のデッドストック品を見つけ、購入。

年数が年数だけに動作可能かが不安であったが、幸いなことに再生は出来た。

ただ、出力がかなり低下している。
MM型なのだが、200Cは2mmVともともとの出力があまり大きくないのだ。
現在使用しているMM型の2個と比べると音量は半分ぐらい・・・。
VUメーターはほとんど振れない。
DENONの付属品は4.8mmV、ナガオカのMP-110Hは5mmVなので大きな差がある。

テストのために音出しが必要なのだが、ヘッドシェルがない。
それでやむなくDENONのカートリッジを外して使うことに。
テクニクス200Cは針部分を外さないとシェルに取り付けができない。
シェルに取り付けたまま位置決めができないので、少々面倒。

DENONの説明書にオーバーハングは、シェルの接合部から針先まで54mmとあったので、
キッチリ設定。

夜間なので、ヘッドホンを使用してカートリッジをとっかえひっかえ繰り返し試聴する。
あまりにも出力が違うので、かなり試聴は手こずる。

音は出ているし(小さいが)、歪はないようだ。どうにももわっとして高域が抜けないので、
いったんカートリッジの取り付けリードピンを外し、テクニクス200Cの端子を磨くことに・・・。
ところがサンドペーパーがない。そこで荒療治、ハサミの刃でそろーりごしごし。
リード線をかしめて再接続。音出しは明日・・・。
   
   
テクニクス200Cをシェルごとマイナスイオン発生機にあてる。
カートリッジは余分な帯磁を消磁器で処理(前日)しているのでそのままテスト開始。

試聴前にレコード盤をマイナスイオン処理。

う---むと、一瞬うなる。ナガオカやDENONの付属品のようなメリハリはないが、
非常におとなしく繊細な音に驚く。

レコードってこんなに良い音だったのかと言う感じ。SNの良い静かで音場の広い音。
明らかに高音は綺麗で繊細。
ちょっとかっちりし過ぎかなと言うレコード盤も、別物のように鳴る。

先日購入の、スーパーアナログ盤はその良さが全く分からなかったが、改めて聴いて
音質の良さにびっくり。改めて45年前に自分が書いたレポートを見てみたら、
全く同じ感想が書いてあった。
45年前、この音を聴いていたのだと認識。このテクニクス200Cでレコード盤を聴いて、音が悪く
感じたらそれはソースが悪いのだとも書いてあった。

1968年発売19500円、現在の貨幣価値で言うと80000円位。確かに当時としては高級であったと思う。


     


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