ナショナル(現パナソニック)の功績は枚挙に暇がない程であるが、ここではテクニクスブランドについて述べてみよう。

ナショナルは多くのスピーカーユニットを販売していた。1965年の5HH17の成功は記憶に新しい。
5HH17と共に進化したテクニクスのスピカーシステムは、1975年テクニクス7として発表されることになる。
このスピカーには度肝をぬかれた。
低音・中音・高音のスピーカーが個別の箱に入っており、雛壇のように奥にずれて配置されていたのである。
リニアフェイズ理論によるスピカーシステムを発表したのだ。
各スピーカーユニットの位相を揃えるため、ユニットのダイヤフラムの位置を揃えたのだ。
これにより、リスナーの耳には同時に音が伝達すると言う訳である。
最も大型システムを組む自作派では、スピーカーボックスにユニットが入らないため箱の上に配置すると言うことをするのは必然であった。
勿論それが為に自由に位相を合わせることができる。市販のメーカーが実行したことに驚嘆をしたのである。
このスピカーシステムは、内外のスピカーシステム製造メーカーに多くの影響を与えることになる。
今日有名なB&Wのシステムは、この影響を多く受けている。また、中音部を別箱にして内蔵、低音の圧力の影響を避ける方式は数々のスピーカーシステムに採用されている。
現在では位相もそうだが、スピーカーユニットがバッフルに受ける影響は少なくないので、大型システムは音波の回り込みに留意する方向に変わってきている。音場再生に優先度が移っているのだ。
オーディオーブームの衰退と共に2008年に姿を消したテクニクスブランドだが、近年久々(2014年)にテクニクスは復活を果たした。
そして何と、アナログレコードのプレーヤーも復活したのだ。海外より数万人の復活嘆願著名が届いた名機SL-1200(1972年)の再来となるモデルが
2016年登場する。


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