ヤマハは楽器やバイク以外にもオーディオのメーカーとしても有名であった。

後世に残る名機として名をはせたスピーカーシステムがある。1974年発売のYAMAHA NS-1000M(およそ108000円)375W×675H×326Dmmがそれである。
3ウエイの大型ブックシェルフスピーカーで、中高域にはベリリウムの振動板を使用。帯域は40Hz-20000Hz。1974年から1997年まで製造され、
各国のスタジオにも導入された。密閉型のエンクロージャーであり、低音の量感は少ない。それがゆえにハイ上がりの音にも聞こえるケースが
あった。アンプを選ぶ難しいスピーカーであったようだ。筆者は六畳オーディオを組むにあたり、何度も試聴を繰り返したがバランスでKEFを選んだ。
明らかに低音は出なかった。いまだに人気のある製品には違いがない。パイオニアもそうだが、当時は高域にベリリウムなどの硬くてハイスピードな
素材が良く使われた。確かに特性は伸びるのだが、アルミに比べても音が硬質なのは否めなかった。そういう構成だと低音が出ていたとしても、
聴感上は低域不足に感じられるのだ。密閉型は低域が伸びるが聴感上は不足に聞こえるのが至極当然なのである。

なおヤマハでは今年度ペアで150万円と言うブックシェルフスピーカーを発売する。サイズはほぼNS-1000より僅かに大きい395Wx690Hx422Dmm。帯域は23Hz~40kHz。各振動板はZylon®(ザイロン)。

アンプとしては1973年発売のYAMAHA CA-1000(98000円)が記憶に新しい。スピカーユニット、レコードプレーヤー、カセットデッキなど製造は多岐にわたっている。


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