日本初のトランジスタアンプは、1962年トリオが開発し発売しました。

翌年はラックスマン、次いでソニーと続々発売されるようになります。

しかし当初は真空管の時代、トランジスタはオーディオには不向きで音も良くないとされ一般に浸透するにはやや時間が掛かりました。

オーディオメーカーの努力は凄まじく、僅か数年でオーディオアンプの地位を獲得するに至ったのです。 勿論スピーカーユニットやシステムの質が向上したことも後押しとなりました。

 

真空管アンプの音が柔らかくトランジスタアンプの音が冷たいというのは、見た目でしかありません。 真空管のように赤くはならないがトランジスタも猛烈に発熱するのは知っての通りです。 冷たいの暖かいのは、もはや迷信といっても過言ではないでしょう。

 

現在でも真空管アンプの灯火が消えないのは、まだまだ支持するファンがいるからですが真空管アンプにはお決まりごとが沢山あって手のかかることは動植物と何ら変わることはありません。それれがまた趣味の世界として必要不可決なのは言うまでもないですが。

 

弁当を買いにスーパーに行くには、徒歩でもチャリンコでもベンツでも目的は等しく達成されます。残念ながら差は生じないのです。便利でも不便でも目的は叶うのです。

30万円の真空管アンプが、3万円のアンプと同じ音がするとは誰も考えないでしょう。

違わないと困るのだ。大枚はたいて安物の方が良い音がしたら本当に困ってしまう。

しかしながら、どこの世界にもオーディオにもそんなことは掃いて捨てるほど存在してしまうのです。かのナショナル(=テクニクス)のツイター5HH17がそうでしょう。

 

オーディオじゃなくてラジオやテープレコーダーはたまたテレビなど、真空管は本当に厄介ものでした。 球は切れるし触ると火傷するしとにかく熱いのです。

そんな不便がトランジスタの台頭で一挙に払拭されました。持つべきものは技術だなと。

今どきのスピーカーシステムには金属のキャビネットなども使われたりしています。

出る音は金属のように冷たくなんかは決してありません。 振動版も金属が蔓延しています。

見た目や素材と、出る音は一致しないのです。不思議でもあり怪しくもありますが事実なのです。

 

趣味として真空管は良いとして、ピュアオーディオの本質はそんなものではありません。

変なたとえですが、真空管はトランジスタに近づきトランジスタは真空管に近づこうとしているように思えます。考えれば、やることは同じなのですね。

少しも違いません。

 


ラックスマン トランジスタアンプ

 

 
 
現在に至る、ラックスらしいデザインが既に構築されています。あまり変化を好まないのもラックス流なのかも知れません。

トリオ トランジスタアンプ
 

 トリオと言えば通信機。 チューナーはとても人気がありました。

ソニー トランジスタアンプ
 
 

 

TA-1120シリーズは大変に人気のあったアンプです。 特性は非常によく、技術のソニーを感じさせる製品でした。 この頃のソニーのアンプは押しなべて、ボリュウムつまみが小さいです。多分にデザイン的なものだと思います。

 

  ※画像はネットおよびオーディオの足跡様より引用致しました。


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