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1Bit DAC CDと32BitプロセスCDの違い、USB

デジタルどうしの比較。アナログと異なり、基本劣化は無い筈。
そう思っていたが、結果は少々違う物であった。
CDと言う規格化された物を再生するには、デジタル→アナログ変換が必要であるのは周知の事実。もともとの信号は決まっている訳だが、何故か同じにはならない。
それには色々理由があって、一筋縄では行かない。

それは、CDプレーヤーの構造に起因する。CDプレーヤーは回転機械であり非常に高速。高速なだけにワウ・フラッターは抑えられるが、この高速で回転する円盤から
レーザーピックアップは信号を忠実に拾い上げなければならない。何が言いたいかと言うと、可動部分が多すぎると言うこと。精度半端ない。
拾われなかったデータはビット落ちとして補完処理される。記録された総ビット数と、再生後のビット数は同じにならない筈である。

しかして、欠損したビット(情報)を補完する処理が通常行われる。全く持って有難迷惑な話であるが、デジタルってそれ位のレベルでしかない。
CDすら完璧にコピーできないのだ、残念ながら。つまり、皆作られた音を聴いている。CDマスタリングやらなにやらで、CDをプレスするとその度に音が違うのはそういう要因もある。
これは日常使用しているパソコンでも同様。拡大縮小は皆補完処理であり本物ではない。

デジタル機器にはデジタル機器特有のノイズが猛烈に乗る。それを削除するわけだが、その過程で実信号まで影響を受けてしまうのだ。
それを元の状態であろう所まで修復し消えた信号を付け足しCD本来の情報を再現する・・・、ということだ。勿論、基本的にそこまでしなくても音は聞こえる。

CDの信号を一旦取り込み、高いレベルで再標本化(オーバーサンプリング)し、元の信号と実音を比較し足りない情報を穴埋めする・・・、それがいいのか悪いのかは
別にしてそういう処理は日常的に導入されている。アナログ波形に近づくほど、アナログ的な自然な音になる、そういう理由である。
ギザギザの波形が本来なのであるから、随分といい加減な話ではあるペテン師ではないか。
勿論そんな筆者も、24Bitプロセスなり32BitプロセスのCDを聴いて悦に入っているのだが・・・。CD規格も、まさか22000Hz以上の音域が問題にされるとは当時は思っていなかった
からである。楽曲には倍音があり22000Hzwo超える成分が含まれる、そういう世論はかなりあった。SACDが開発されたのはCDではダメだとして(認めて)超広域再生を
目指した物であった。しかして、頓挫している。ハイレゾ音源が台頭したからである。そこで一気に高音質化、PCオーディオが普及するかと言ったら、そんなことはない。

AD-800 1BitDAC CD再生。 1BitDAC→USB記録再生。低域に僅かに違いが出るだけで、ほとんど差はない。
 32BitプロセスCD。  1BitDAC CD。ピーク抑制が見受けられる。
 
 1BitCDでは何故か20-30Hzが平坦な特性。丸印部分が波形が潰れている。
ピークレベルが抑えられている。レンジが狭くなっている。
 USB記録再生では、当然ながら1BitCDとほぼ変わらない。
 1Bit→USB記録再生。微妙に違うところもあるが、ほとんど差はない。
僅かにピークが抑えられているが、USB記録は十分な性能であると言える。
A-2300SRはCDを忠実に再現しているので、上の写真とほぼ同様となる。
左のデータをUSB再生データに重ねて表示。低域に違いが出るが高域はほぼ同じ。  

USBもレコーダーであるから、記録再生では僅かに差異を生ずる。

ピークレベルが抑えられているのは、AD-800に起因する。


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