最近はあまりデパートに行くこともありませんが、GINZA SIXが出来てチョット改めて感じたことがあります。
GINZA SIXは所謂デパートではないとされていますが、建物内にショップがあるのだから基本似たような物。第一デパートの跡地だし。
わが街のダイエーショッパーズプラザが、イオンに変わったようなもので差は有りませんねえ。
何が言いたいかというと、休憩所なり椅子のこと。 昨今のデパートは各階に十分な休憩所などありません。
銀座の三越もエスカレーター脇に数人が座れる椅子があるのみ、新宿の伊勢丹に至っってはトイレ・エレベーター脇以外に
全くありません。日本橋の高島屋は階段の踊り場に椅子があって、まだましな方。
メンズ館に至ってはまるでないような・・・。
GINZA SIXには各階にわずかながら座れる椅子があるものの、やはり数人規模のもの。蔦屋書店のあるフロアに、ソファが有ったので
座ろうと思ったら、「席料1000円」のプレートが・・・。なんだかなあ。
デパート側の大きな勘違い。それは店に来る人が目的買いで、必ず買う人で買ったらすぐに帰るだろうと言う考え。
それはそうかも知れないが、世の中そんなに甘くはありません。買う人(目的買い)よりも、買っても買わなくてもいい人や
いつか買うかもしれない、そんな人が圧倒的に多い筈なのです。それを、デパート側は勘違いしていると思います。
デパートの売り上げが一向に伸びずに下降気味なのは、ユーザーありきでないからに他有りません。
休憩所もろくになかったら、ウインドウショッピングも何も出来ませんね。喫茶店などもキャパが少ないし待たされるし、
第一休憩と喫茶は違うでしょ。
我が町のショッパーズプラザは各階に十分なほどの椅子があります。スーパーなのに、いや・・・スーパーだからです。買い物に時間が
掛ればかかるほど休憩する場所は必要なのです。連れがある場合はなおさらです。
デパートに行って、婦人服売り場などに同行すると本当に困りますね。待つ場所がないのです。
こんなとこで買うか、と心底思いますね。
GINZA SIXは同じことをやっています。サービス業の不慣れな人が建てたものだから致し方ないと言えばそれまで。
既存店の二の舞が見えて仕方がないのです。
ちなみに、休憩所を全くというほど設けない大型店がありますね。どこでしょう。
それは、家電量販店です。 そう、目的買いが圧倒的に多いのです。買ったらすぐに帰るのです。見てから買うというより、必要に
迫られて購入するのです。
そんな量販店と同じ考えでは、デパートやGINZA SIXのようなマーケットは先が見えてしまうでしょう。
大挙して押し寄せたお客ですが、ほとんどは下りのエレベーターで降りてしまいましたね。
この大挙して帰ってしまうお客の中に、どれだけ「買えるお客」がいることでしょう。実にもったいないですねえ。
購入したか否かは買い物袋を持っているか否かで誰でも分かります。圧倒的に少ないのですね。
家内曰く「買いたいものが全くない」・・・、同感です。先に述べたデパートは休憩所が無しにせよ買い物をする人は多いです。
少なくとも高額商品ばかりではなく、買いたい価格や好みの物があるからに他なりません。
富裕層狙いは結構ですが、トータルで考えたら平均価格を下げないと客数は伸びませんし結果決算で赤字になるでしょう。
私が現役の頃、何十年もサービス業やら営業をして、口すっぱく言われたことは「客単価を上げる事」「高い物を売る事」でしたよ。
社長の考えに「なんだコノヤロー」と思ってましたよ。儲からなければ・利益を出さなければ会社は存続できない・・・、それが経営者の
考えであり必要な事。しかし、一歩間違えれば奈落の底も事実なのです。
他店との差別化を図るあまりに、お客の意向が見えてこない・・・。そういう迷路に迷い込んではいないでしょうか。
銀座のど真ん中のお店に15年近く勤めていた私ですが、銀座には行きたいと思いません。
ゆっくり休めるお店がないからです。デパートしかり旗艦店しかり・・・。
パスで大挙して押し寄せる中国人観光客、それでに売り上げを依存するのが今の銀座ですね。私が勤めていたお店も然り。
一般客は減るばかりなのです。銀座の未来は決して明るくは有りません。
、
何しろ、新規に安売りの大型店が出店しようとすると銀座の組合は真っ向から反対するんですからねえ。
非常に保守的保身的なのが、銀座の店主なのです。
屋上に看板たててその上がりが莫大過ぎて・・・・、笑えます。(凄い金額ですよ・・・)
おっと、話が横道に・・・。
お分かりと思いますが、銀座やデパートを誹謗中傷したいわけではありません逆なのです。
ほんのちょっとした気遣いがあれば、もっと行くであろう、いや行きたいのです。改善してもらいたいのです。
銀座人にいや、経営陣に言いたい。
- 各階に十分な休憩所を設置する
- 十分な椅子席を設置する
- 無料の飲料水を提供する
- 自販機を設置する
- 複数のトイレを各階に設置する
- ランチは銀座相場ではなく世間相場にする
- 真の意味の大食堂を構築する
- ショップは新製品の陳列の場のみにしない
- ショップの服装の制限、髪型の制限、髭の有無を見直す
- 社員教育
- おもてなしがあるお店に
- 吹き抜けの無駄な空間を潰し、広い休憩スペースを作れ
- 商品の1平方メートルは限りある単価だが、人ひとり座る同じ1平方メートルは無限の単価となることを知れ
- 銀座の坪単価は来客が決めた価値、勘違いしてミニチュアの売り場を作るな
- 一日3人の来客で100万円売り上げるより、1000人の売り上げで100万円作れ人は人を呼ぶ
- 元がいくら掛ったからではなく、どれだけ人を呼び購入してもらうかそれを考えよ
- プライドはお客とともにある、プライドが上に立たないように
- 本当に良いものは必ず売れる
- デザイナーはデザイナー、お客の心とは全く違うことに気付こう
- 熱しやすく冷めやすい、それは人の常。平常心で物事にあたろう
- 見るだけの商品と、買う商品は絶対的に区別される
- 閑古鳥の鳴いている売り場は、何故なのか知らないのが悲劇
- 人間は意にそぐわないものには、拒否反応を示す本能があることを知れ
- 真の販売員は商品と共に真心を添えている
- リピートするか否かそれは至極簡単、お客の心を掴むことそれだけ
- 大枚はたいて砂上の楼閣を作ってはいけない
- 高額品ほどプライスが小さく分からない、商売の前に負けている
- 車は500万円でも800万円でも買う、何故だろう
- 100%の価格に銀座のステータスとかが載せられていたら、買わない
- 100円の飲料が、温泉地で160円になる・・・・、そんなのは誰も望まない必要悪の世界にならないように
- 副業して年収を肥やす経営者には、一顧客のいや一お客の心が一生分からない
- 身を賭して物事にあたれ
- 銀座だけが買い物の場所ではない
余談ですが、我が町新浦安の市役所は数十年ぶりに建替え、真新しいビルになりました。
役所の方の業務の場所が快適になったのみならず、来庁者にも便利でゆとりのある庁舎になりました。一階にはお茶の
無料提供器もあります。各階に椅子もあります。誰でも利用できる食堂もできて500円程度で食べられます。
パスポートも申請できるようになりました。入り口前には100円バス(お散歩バス)の発着所もあります。みんな税金なのだけど、
あれだけボロボロになるまで建替えなかったのだから、誰も文句言いませんね。むしろ誇りです。
行政と民間は違うとは言い切れないと思います。行政はサービスですが、民間も提供するのはサービスと思っています。
こころして物事にあたらなければ、失敗するでしょう。お客ありき・・・でありたい。
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