部屋の特性を知る  2018.1.28



防音のコーナーで触れましたが、「音は生き物」なのでいかようにも変化します。 しかし、音波は規則正しく反射しますからどうにかすることは

可能です。

引っ越し等で部屋が空っぽの場合、コンクリート住宅の部屋では「音が反響し響きます」。これにより「残響」が長くなります。

そして、特定の音域が増強され「低音がぼんつき」ます。 低音が出過ぎると感じられるかもしれません。

戸建の場合高気密の住宅は似たような状態に陥ります。 音の逃げ場が塞がれるからです。 これは少々厄介です。

古い相当に年数がたっている和風の木造戸建は、比較的上記のような心配が少ないと思います。 いわゆる隙間だらけの住宅ですね。

ただ、低音は逃げてしまいますので低音の再生には苦労すると思います。 それと音漏れですね。 古い木造戸建は音がダダ洩れになります。

住宅密集地のピアノ設置は無理と考えます。 防音が必要になりますが、防音すればするほど「音が反響」するようになり、いたちごっこになりますね。


音楽再生には、ピークもディップのない「平坦な特性」に近くする必要があります。 低音も高音も物足りない音にする必要があるのです。

低音も高音も物足りない音とは、人間の耳の「聴覚曲線」に近いということです。

   
左の図のように、聴覚曲線は低音部と高音部での減衰が非常に多いのです。 低音が良く聞こえるというのは、

部屋の反射により音が共鳴してピークを作っているという可能性があります。

バスレフのスピーカーはこれが顕著になります。

ダダ洩れの古い建屋では、逆に低音が物凄く不足します。

スピカーの周波数特性は、システムも含め無響室での

測定データになります。 ですから、まずそのデータをカタログなどで知る必要があります。 スピカーが正常に再生されれば、ピアノも全く問題なく再生されます。


人間の耳は500Hzから2000Hz近辺が実用域ですから、

その辺におかしなピークやディップのないように、

音場を創生します。
   
   
左はシングルコーンスピーカーの周波数特性図。

150-10000Hzほぼ平坦です。

この状態は無響室ですが、デッドな部屋(駄々洩れ)で

は、低音は非常に不足します、というか聞こえないですね。

実際は部屋の反響で低音部が相当上昇します。

 部屋による音響の変化、仮想図。  
   

赤と青は、部屋の反響による周波数特性の変化の模

式図です。仮想であり実際の値ではありません。

この図では10db以上上昇のピークがあります。

同様にディップも見られます。

このように部屋の形状、材質、気密度、調度品などによ

り大きく変化します。

低音が暴れると、高音部も暴れます。

この状態ではピアノもこもったり靄着くと思います。

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