東京写真オーディオ自作スピーカー東京写真オーディオスペシャル

43年前の自作スピーカーシステム






今から43年前、1971年自作のスピーカーシステムを紹介しよう。方チャンネルスピーカーが9個というとんでもないシステムだ。
スピーカーを並列につなぐとオームの法則によりインピーダンスが半分になる。8オームのスピーカーを全て並列にしたならば抵抗値は限りなく0に近くなりアンプはショートする。
かといって直列にすると音がダルくなる。能率も上がらない。しかして、これらのスピーカーには全てネットワークが介在している。つまり抵抗も有りコンデンサーもある。
能率がバラバラでどうしても間には抵抗が入る。ここが肝でなんとかアンプを痛めずには鳴らせていたようである。
もちろんネットワークは自作した。コイルも自分で巻いたのである。
高価なスピーカーは買えず、大概がパイオニアであった。

ちなみに和室・四畳半である。というかアパートだ・・・。
東京写真オーディオ自作スピーカー 右チャンネル、コーラルのFLAT6は引き出しに合板を打ち付けて作った引き出しスピーカーである。
その他の三個はハコだけ秋葉原で買ったもので、流石に大きい箱90センチX60センチは電車では無理なので止む無く配送にした。他は皆電車で運んだ物である。
このでかいハコは我が家に40年近くも居て、中にはコンクリートが詰められており、バスレフに改造されていて金魚の水槽が乗っけられて居たりした。
4年前引越しのためあえなく処分と相成った。


左チャンネルのハコはハコではない。実は木製の本棚で、そこに2センチだかの厚みの合板を貼り付けた物である。
もちろんこの合板も電車で運んだ。
一番下にあるのは道で拾ったコンクリートブロックである。
背面は開放で壁に密着して使い、中には大量のグラスウールを詰め込んでいる。

これらのスピーカーは現在のスピーカーとは全く設計が異なる。つまり、それ相応のハコがなければ低音は出ない。バスレフの音は癖があるので設計が難しいが、密閉型ではまるで低音が出ないので、市販品はバスレフも多かった。

現在のスピーカーとは違いスピーカーの素材は紙である。エッジも布が多くウレタンも出始めたが、経年変化に弱く直ぐにボロボロになった。高音は市販品ではドーム。自作ではホーン型というのが中心であった。これが曲者で。ホーンがために強い指向性があり、聴取位置が限定されてしまうのだ。


これだけのスピーカーで問題なのは音圧レベルを揃えることである。その調整は難儀を極めたと記憶している。
さらに、左右のスピーカーのバランスである。
左右ともスピーカーが異なる。これは実に厄介であった。

しかし理屈から言えば、音圧を揃えれば同じ音が出るハズである。まあ、実際はそうは行かないのだが・・・。

このシステムがどんな音がしたかというと・・・・。
当時のあの貧弱なアンプやプレーヤー、もろもろの機器、それを考えてみると
それなりの音はしていたと考える。もし、今使っているアンプと、CDプレーヤーなりコードを繋いだなら
中々な音がするのではないだろうかと思う。
それほどにアンプなり媒体は進歩を遂げている。


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