東京写真オーディオスペシャル
シングルスピーカーこそすべて
シングルこそすべてっであり、シンプルイズベスト。 まあ・・・そうなのだけれど、そうはならない。 しかし、理想はスピーカー一個、左右で二個。それが本来の正しい有り方である。 これは動かせない事実である。 しかるに、問題は山積となる・・・。 スピーカーは大きくないと低音が出ないというか出にくい。口径が大きければ低音は楽に出るようになるが 高音は出なくなる。つまり相反する状態にあるのだ。ヘッドホンやイヤホンのように耳に近いわけではない。数メートルも 離れて聞くのだ。音場もまちまちでフラットにはならない。 口径が無視できるくらい小さく、つまり6センチとか8センチぐらいなら数メートル離れれば点音源に近くなる。 必要な音もそこそこ再生できるはず。されど、中低域から低音は、コーンの振幅から言って無理が多い。 大音量だと破損してしまうだろう危険がある。 それらの難点を克服(したかどうかはともかく)せんとしたら、形状がスワン(白鳥)になった・・・・。というのは嘘だが。 まんざらでもないと思う。 しかして、昨今のスピーカーは口径の小型化、大入力化が目覚しい。小口径である程度低音の再生をするには、適切な バスレフポートと大振幅に耐えるストロークのあるエッジをそなえた強靭なコーンを持つユニットが必須なのだ。 43年前はそんなスピーカーなぞなかった。それでも8センチやら10センチのスピーカーで色々鳴らす試みは絶えなかった。 当なる私もアイロンの木製ケースに6センチのスピーカーを一個、ドロンコーンを一個の二発で随分鳴らした記憶がある。 イクリプスなどのスピーカーはそういう意味では理想に近い。ただ、低音部は工夫が必要だろう。 イクリプスがスワンになったなら低音も出て素晴らしいと思うのだが・・・。 B&Wのスピーカーも2WAYや3WAYではあるものの、考え方は同様である。単発のスピーカーでは補えない超高域を スーパーツイターで見事に完成させている。故に、スピーカーからは自然な音場が得られるのだ。 マルチスピーカーは必要悪である。 ついには、シングルに行き着くことだろう。 だだ、そのような単体のスピーカーは未だ開発されていない。 |